2013 Fiscal Year Annual Research Report
2次元高分解能分光観測による太陽表面ジェットの研究
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23540264
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
北井 礼三郎 佛教大学, 教育学部, 非常勤講師 (40169850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一本 潔 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70193456)
柴田 一成 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70144178)
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Keywords | 太陽活動現象 / 黒点構造 / 磁気リコネクション / ジェット現象 / 対流現象 |
Research Abstract |
太陽表面上に現れる活動現象は、宇宙における電磁流体力学的現象の発露であり、微細な構造とその時間発展を詳細に観測解析できる唯一の物理現象である。本研究では、太陽表面活動現象を高空間分解能で撮像・分光手法で観測することに成功した。使用した装置は、太陽観測衛星ひので光学望遠鏡、スェーデン真空望遠鏡、飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡、太陽磁場活動研究望遠鏡である。具体的には、1)エラーマンボムという黒点周辺で見られる微小爆発現象は、150㎞程度の大きさを持つ更に微細なエネルギー解放現象の集合体であることを発見した。これらの微細構造は、磁気リコネクションが間歇的に起こっているという描像を得ることに成功した。この現象の起源は、彩層ジェット、コロナジェットと物理的には同じものであり、その発生の太陽大気中の深さの違いであるという知見を得た。2)太陽黒点内部には、明るい暗部輝点という微細な構造がある。この構造は、黒点深部から熱い対流ガスが強い磁場域に侵入して光球に現れたものであるという描像を明らかにした。また、この暗部輝点の空間分布から、厚い大気の底にあって通常は見えない黒点下部の構造を推測できる見通しを得た。この視点は、黒点の進化を予想する手段を与える可能性があり、ひいては宇宙天気の予報にもつながる可能性を見出した。最後に、最終年度には、3)黒点の半暗部の形成過程を研究・解析し、半暗部の形成は従来考えられていた磁束の集積による黒点縁辺部の磁場の傾きという過程以外に、急速に磁束が浮上し続けて黒点となる場合、更には捩じれた磁束浮上あるいは回転しつつ浮上する過程でも形成されることを明らかにした。これらの過程は、すべて磁場の傾きが大きいことを意味しており、理論予想を、観測的に実証したという成果となる。この成果は、「ひので7シンポジウム」で発表し、日本天文学会欧文報告に投稿、受理された。
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Research Products
(1 results)