2012 Fiscal Year Research-status Report
磁気散逸を考慮した乱流分子雲コアにおける星形成の研究
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23540270
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 教授 (60308004)
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Keywords | 星形成 / 分子雲 / 磁場 / 乱流 / 適合格子細分化法 / 大規模シミュレーション |
Research Abstract |
磁気乱流を持った分子雲コアにおける原始星・原始惑星系・アウトフローの形成を調べるために、適合格子細分化法(AMR法)を用いた数値シミュレーションを行った。シミュレーションでは、オーム散逸を考慮して現実的なモデルを構築した。従来の研究の多くは、、分子雲コアに一様回転を与えて初期条件としたものが多かった。 しかし、現実の分子雲コアは乱流を持ち、この乱流が原始星や原始惑星系円盤の回転の起源であると考えられている。したがって、乱 流を考慮した星形成の研究が必要である。 本年度は初期条件の乱流モデルを改良し、乱流と磁場が原始星や原始惑星系に与える効果を調べた。現在いくつかもモデルは計算途中であるが、多くのモデルの定性的な結果は昨年度のものと同様であった。磁場が強いモデルでは、エンベロープに強磁束の穴が空き、原始星の近傍に原始惑星系円盤が形成した。磁場が弱いモデルでは、先のモデルよりも大きな原始惑星系が形成し、渦状腕をもつ円盤も認められた。 本年度から、分子雲スケールのシミュレーションも始めた。分子雲スケールになると、乱流はさらに重要なることが知られている。このモデルでは最初のステップとして、磁場の効果を無視して、乱流と自己重力に効果に着目した。数値シミュレーションから得られたデータを基づいてチャネルマップを作成し、観測から得られたチャネルマップと比較した。その結果、集団的星形成がはじまる直前にチャネルマップには特徴的な構造が現れることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乱流のモデルを改訂した分子雲コアの数値シミュレーションはおおむね計算が順調である。いくつかのモデルは計算途中であるが、ほとんどのモデルの計算は終了した。 また、分子雲スケールのシミュレーションの計算も順調に進んでいる。 アルフヴェン速度を人為的に遅くする数値解法では、実際の科学的な計算と同じセットアップを用いてテストを行った。 陰解法アルゴリズムの改良ではAdditive Schwarz Method と呼ばれる技法に取り組みはじめた。この技法はDomain Decomposition の分野ではよく知られている方法である。
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Strategy for Future Research Activity |
分子雲コアスケールと分子雲スケールの二種類の研究をそれぞれ論文に投稿する。 陰解法アルゴリズムの改良を引き続き行う。 平成24年度に着手した、アルフヴェン速度を人為的に遅くする数値解法についても、引き続き研究を続ける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データストレージの拡充を行う。解析ソフトウェアのバージョンアップを行う。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] MOLECULAR CLUMPS AND INFRARED CLUSTERS IN THE S247, S252, AND BFS52 REGIONS2013
Author(s)
Tomomi Shimoikura, Kazuhito Dobashi, Hiro Saito, Tomoaki Matsumoto, Fumitaka Nakamura, Atsushi Nishimura, Kimihiro Kimura, Toshikazu Onishi, and Hideo Ogawa
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 768
Pages: -
Peer Reviewed
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