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2013 Fiscal Year Research-status Report

アジアにおける天体観測拠点の光赤外線観測条件評価

Research Project

Project/Area Number 23540275
Research InstitutionNational Astronomical Observatory of Japan

Principal Investigator

佐々木 敏由紀  国立天文台, 光赤外研究部, 准教授 (80178657)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉田 道利  広島大学, 宇宙科学センター, 教授 (90270446)
関口 和寛  国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (20280563)
大島 紀夫  国立天文台, 天文情報センター, 研究技師 (80223808)
三上 良孝  国立天文台, 大学共同利用機関等の部局等, その他 (70165984)
Keywords国際研究者交流:中国 / 天文観測サイト調査 / 光赤外線天体観測条件評価 / 西チベット
Research Abstract

西チベットにおける天文サイト調査で平成22年度から重点地域になっているアリ地区ガー山に、天体観測環境評価装置を設置し、調査を実施している。平成25年度春までの天文サイト調査結果を、2013年10月に台湾で開催された東アジア中核天文台連合主催のEAMA研究会で発表し、関連する東アジアの研究者と調査方針の協議を行った。
ガー山に設置された天体観測環境評価装置は、赤外線雲モニタカメラ、気象観測機器、ダストカウンター装置である。2013年度に2度の研究者派遣を行い、5月期に3名の派遣により測定データの回収、機器の保守、制御計算機の更新を行った。6月期に新たに3名の派遣を行い、現在調査地点(標高5060m)に隣接する、気象がより穏やかで天体観測に適していると想定される、より高所(標高5200m)のピークを調査した。天体観測に適している複数のピークを確認し、天体観測環境を調査する機材設置の準備を行った。
回収されたデータを解析し、冬期の低温環境下で得られた赤外線雲モニタカメラによる雲量分布データから、前年度の2011年11月から2012年1月の晴天率に加えて、2012年12月から2013年6月の晴天率は、平成21年度まで調査していた西チベット・オマ地区およびすばる望遠鏡のあるマウナケア山と同程度の晴天率70%を示すことを確認し、2013年10月EAMA研究会(台湾)、2014年3月の日本天文学会で発表した。
一方、現調査地点ガー山は晴天率が高いものの冬期には風の隘路のためと思われる強風環境であることが気象観測データから示され、晴天率が高く、かつ冬期の強風環境を避けることの可能性の高い、アリ地区内の他の地点の検討を進めた。現調査地点ガー山より東方80kmにある半径20kmの盆地状平坦地内にある小山を提示し、新規調査地点の調査方針を2014年3月の日本天文学会で報告した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

西チベットにおける天文サイト調査重点地域のアリ地区の天体観測評価を行うために、アリ地区内ガー山等に天体観測環境評価装置を設置し、天体観測条件調査を継続的に行うことが本研究の目的である。使用予定の天体観測環境評価装置は、赤外線雲モニタカメラ、微熱乱流測定装置、気象観測機器、ダストカウンター装置である。継続的に複数年度にわたり天体観測環境評価を実施するという計画は順調にすすんでいる。微熱乱流測定装置以外は、装置設置、初期調整ののち自動測定モードに入り、継続的な測定を行っている。微熱乱流計測センサを設置する計画は、現調査地点が冬期の強風のためにセンサー破壊が進む恐れがあるので設置を再検討して新規サイトでの適応に移行する方向に進んでいる。
サイト調査機器によって取得されたデータを解析し、当該サイト・ガー山の初期的評価が進んだ。晴天率については想定していたように高評価であった。しかし、夏期7-10月における観測状況は、チベット入境が順調に進まなかったのでデータ回収ができず、次年度に継続する。また、気象観測機器による測定によりガー山は冬期11月-1月は強風環境であることが判明し、晴天率は高いが望遠鏡設置には良い環境でないことが明らかになった。そのため、アリ地区内の、ガー山より天体観測環境の良いサイトを新規に選択し、調査を行う提案を2014年3月の日本天文学会で詳しく行っている。
東アジア中核天文台連合主催のEAMA研究会でのサイト調査の現況発表により東アジアの研究者にチベットアリ地区の天文観測サイトとしての重要性を報告できたのは重要な成果である。
研究会発表を含め3度の研究者派遣により、中国共同研究者との共同作業、協議および科学的検討をすすめ相互の信頼関係もさらに醸成されてきている。派遣研究者の健康にも留意をし、超低酸素環境地域であるアリ地区ガー山の派遣も無事に遂行している。

Strategy for Future Research Activity

西チベットにおける天文サイト調査重点地域アリ地区のガー山に設置された天体観測環境評価装置を継続運用する。サイト訪問時に装置の診断をし、必要であれば保守調整あるいは部品保守を行う。欠落している夏期観測を含めた無人観測で得られた天体観測評価デ
ータを回収し、解析を行って通年でのガー山の天体観測条件評価を行う。そのために、研究者をアリ地区ガー山に派遣する。
サイト調査機器や制御計算機の状況を日本から確認するためにインターネットを利用して行えるように購入した小型工業用計算機をガー山のサイトに設置したので、ガー山で利用可能となったインターネット環境が利用できるように中国側共同研究者と交渉し、日本からの遠隔モニターを計画している。
強風環境であるガー山の初期評価に基づき、アリ地区内のガー山より天体観測環境の良いサイトZoZo Hillを訪問し、その状況を評価することを今年度に計画している。最終年度の今年度のアリ地区での天体サイト調査と新規に天体サイト調査を開始する予定のZoZo Hillの評価に基づき、通年でのガー山の天体観測環境の評価を取得すると共に、アリ地区内の最良のサイトを選定して、将来の東アジア共同の望遠鏡サイトの選定を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

西チベットにおける天文サイト調査重点地域アリ地区のガー山に設置された天体観測環境評価装置を継続運用する。サイト訪問時に装置の診断をし、必要であれば保守調整あるいは部品保守を行う。欠落している夏期観測を含めた無人観測で得られた天体観測評価データを回収し、解析を行って通年でのガー山の天体観測条件評価を行う。ガー山で利用可能となったインターネット環境を用いて、日本からの遠隔モニターを実現できるように努力する。
高風速環境であるガー山の初期評価に基づき、アリ地区内のガー山より天体観測環境の良いサイトの可能性の高い ZoZo Hill を訪問し、その状況を評価することを計画している。
最終年度の平成26年(2014年)にかけての継続的な天体サイト調査によって、通年でのガー山の天体観測環境の評価を取得すると共に、アリ地区内の最良のサイトを選定して、将来の東アジア共同の望遠鏡サイトの選定を目指す。
次年度の研究費は、1.アリ地区ガー山に設置された天体観測環境評価装置の保守運用のために、2.取得された天体観測評価データを回収するために、3.アリ地区内の天体観測環境の良い新規サイトを訪問し評価するための研究者のアリ地区への派遣費用,4.科研費最終年度としての当該科研費での活動実績をまとめ出版することを予定しておりそのための出版費支出、を主とする。また、新規サイトの評価のために気象観測機器が必要な場合はその購入も予定している。
昨年度前倒し請求(30万円)により生じた繰越金は、データ解析用高精細ディスプレーなどの物品費として少額使用したが、残額が生じた。この残額は、次年度経費と合算し、旅費、物品費などとして研究経費として使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013 Other

All Presentation (2 results) Remarks (2 results)

  • [Presentation] チベット西部域における光赤外線天体観測環境調査 (VII)2014

    • Author(s)
      佐々木敏由紀, 大島紀夫, 三上良孝, 岡田則夫, 小矢野久, 関口和寛(国立天文台), 吉田道利, 内海 洋輔(広島大学), 姚永強, 劉立勇, 王紅帥(中国国家天文台)
    • Organizer
      日本天文学会春季年会
    • Place of Presentation
      国際基督教大学(東京都)
    • Year and Date
      20140319-20140322
  • [Presentation] A China-Japan Collaborative Site Survey in west Tibet - Sky clearness at Gar/Ali, Tibet -2013

    • Author(s)
      Toshiyuki Sasaki (NAOJ), Yongqiang Yao(NAOC), Norio Ohshima(NAOJ), Yoshitaka Mikami(NAOJ), Michitoshi Yoshida(Hiroshima Univ.), Norio Okada(NAOJ), Hisashi Koyano(NAOJ), Kazuhiro Sekiguchi(NAOJ), Liyong Liu(NAOC)
    • Organizer
      9th East Asian Meeting on Astronomy
    • Place of Presentation
      NCU, Taiwan
    • Year and Date
      20131014-20131018
  • [Remarks] Site Survey around Tibet, China

    • URL

      http://www-irc.mtk.nao.ac.jp/~sasaki/TibetSiteSurvey/index.html

  • [Remarks] Site Survey in west China

    • URL

      http://sasakihome.info/~sasaki/TibetSiteSurvey/index.html

URL: 

Published: 2015-05-28  

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