2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540283
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10222366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BORZUMATI Fran 東北大学, 国際教育院, 准教授 (50599719)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 / 超対称理論 |
Research Abstract |
標準模型の電弱対称性の破れが内包するエネルギースケールの問題を解決するために提唱られるテラスケールの新たな物理スキームは「エレメンタリー・シナリ」と「ダイナミカル・シナリオ」に大別される。これらのシナリオは様々な形でフレーバーの問題を内在する。本研究ではこれらのシナリオについて自然で有望と思われる模型を構築し、テラスケールで現れるフレーバー構造を調べ、トップクォークの性質やフレーバー混合について実験的に検証できる現象論的帰結を導くことを目的とする。 LHC実験によって約125GeVの質量をもったヒッグス粒子が発見され、さらにその性質が調べられた。それによれば発見されたヒッグス粒子は実験誤差の範囲内でおおむね標準模型のヒッグス粒子と矛盾しない性質を持つ。これらのことから期待されるテラスケールでの物理は超対称理論等のエレメンタリーシナリオが有望視される。 そこで、昨年に引き続き、超対称標準理論に的を絞り研究を進めた。山口は、ミニマルな超対称標準模型にゲージ一重項を加えた一群の模型に対し、LHC実験から得られた実験的制限のもとで、どのようなパラメータ領域が許されるかを調べ特徴的な性質をえた。この研究について、近く論文の形で報告する予定である。 ボルズマティは、昨年に引き続き一重項を含む超対称模型について、フレーバー物理からくる実験的制限を詳細に研究した。結果は近くまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LHC実験で得られたヒッグス粒子の性質に関するデータをもとに、超対称模型の許されるパラメータ領域の特徴を見出すことができた。研究は順調に進んでいる。 ただし、昨年度予定していた国際会議等での成果発表の機会を今年度に持ち越している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までにまとまった研究成果をもとに更に内外の研究者と研究打ち合わせを行い新たな知見を加えていくと同時に、これまで得られた研究成果を国際会議などで発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を国際会議等で発表すると同時に、海外から研究者を招聘する等して研究打ち合わせを行う予定であったが、国際会議の日程及び招聘予定者の都合と研究代表者及び分担者の予定が合わずに旅費が使用できなかった。 海外からの研究者の招聘等による研究打ち合わせ旅費、並びに国際会議における研究成果発表旅費として使用する。
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