2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの火の玉光球モデルによる米徳関係式の起源の研究
Project/Area Number |
23540305
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80155837)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ガンマ線バースト / SGRBの発生率 / 重力波検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
継続時間の短いガンマ線バーストSGRBのスペクトルのピークの値Epと光度LpにLp=A*Ep**nと言う米徳関係式が成立する。Aの値はSGRBでは継続時間の長いLGRBの0.2倍であることを昨年の研究で明らかにした。そこで、今年度はSGRBの米徳関係式の応用を行った。SGRBで赤方偏移が判明しているのは少なくて、せいぜい20個程度であるので、その形成率ははっきりしていない。ところが、BATSEと言う衛星は1990-2000年の間に約800ものSGRBを検出している。そこで新たなSGRBの米徳関係式を使うと、赤方偏位zを決める事が出来る事に着目した。具体的には光子数が多くて、Epを精度良く決められる明るい72個のSGRBの赤方偏移zを決めた。これに基づき、現在z=0でのSGRBの最小の発生率が1.15(+0.56 -0.66)x10**(-7) evens Mpc**(-3)/yrである事が解った。SGRBは連星中性子星(NS)やNSーBH(ブラックホール)連星が起こすと言うのが有力な考えであり、2015-2019年頃までには我が国のKAGRA等の第2世代重力波干渉計がその重力波を初検出すると考えられている。SGRBは開き角6度くらいのジェットと考えられているので、KAGRA等はSGRBがNS-NSの場合、最低年間4イベント、まNS-BHの場合146イベントSGRBからの重力波を検出することが判明した。明るいSGRBだけをデータ解析の対象にしているので、実際はこの4倍程度のNS-NSの場合16イベント程度、NS-BHの場合600イベントくらい検出が期待される。NS-BHはNS-NSより質量が大きいので遠くても重力波が検出可能であるのが重要で、SGRBのほんの10%がNS-BHでもイベント率は年間70イベントくらいになる。
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