2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 裕 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10332165)
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Keywords | 宇宙線 / 銀河 / 銀河団 |
Research Abstract |
平成24年度は銀河団中の銀河、特に銀河団の中心にあるcD銀河と銀河団ガスの関係について調べた。cD銀河を覆うガスは強いX線を放射しており、急速にエネルギーを失っているはずであるが、温度はあまり下がっておらず、何らかのエネルギー供給メカニズムが働いていると考えられている。そこでエネルギー供給源としてcD銀河の中心に存在する巨大ブラックホール(活動銀河核)を考え、エネルギーの運搬役として宇宙線を考えた。 ブラックホールの周囲では宇宙線が加速されており、加速された宇宙線は銀河団内へと流れ出す。宇宙線は銀河団ガスと相互作用をし、プラズマ不安定によりアルフベン波を励起する。この際、宇宙線からアルフベン波にエネルギーが渡される。アルフベン波の成長は最終的に非線形効果により止められる。この際、波のエネルギーが銀河団ガスへ渡される。以上の過程により、ブラックホールの周辺で宇宙線の形で生成されたエネルギーが銀河団ガスへ渡されるはずである。 この過程について数値シミュレーションを用いて調べたところ、これまで考えられてきた多くのエネルギー供給メカニズムと異なり、安定に継続してエネルギーがブラックホール周囲から銀河団ガスへ渡されることがわかった。 さらにこの過程でエネルギーを運搬する宇宙線からの非熱的放射についても調べた。宇宙線からは、シンクロトロン放射、逆コンプトン放射、π中間子からのガンマ線放射がある。そのうちのシンクロトロン放射に関する予言は電波放射の観測と一致し、他の放射は弱く、観測は難しいことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は銀河の進化モデルや初代世代星形成での宇宙線の役割について調べる予定であったが、その前に平成25年度に研究を予定していた銀河団での宇宙線の役割について主に調べた。これは日本のすざくなどのX線天文衛星や、電波望遠鏡、ガンマ線望遠鏡での観測が進み、銀河団のデータが増え、理論との比較が用意になったためである。結果として最新の観測結果に基づいた理論を構築することができた。 学術論文も4本発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
銀河団での宇宙線の役割についての研究が順調に進んでおり、観測をうまく説明できる理論の構築に成功している。そのためまずそちらの研究を優先して進めたい。その応用として銀河モデルや初代星などの他の天体の研究を行う。 数値シミュレーションに必要なワークステーションなどのハードウェアはすでに購入しているが、ソフトウェアの更新費用は必要である。最終年度なので、研究成果の発表に力を入れたい。そのため、研究発表のための旅費や、論文の投稿料に多くの予算を割く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Suzaku observations of Abell 1835 outskirts: Deviation from hydrostatic equilibrium2013
Author(s)
K. Ichikawa, K. Matsushita, N. Okabe, K. Sato, Y.-Y. Zhang, A. Finoguenov, Y. Fujita, Y. Fukazawa, M. Kawaharada, K. Nakazawa, T. Ohashi, N. Ota, M. Takizawa, T. Tamura, & K. Umetsu
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 766
Pages: 90, 19 pp.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Suzaku observations of the Hydra A cluster out to the virial radius2012
Author(s)
T. Sato, T. Sasaki, K. Matsushita, E. Sakuma, K. Sato, Y. Fujita, N. Okabe, Y. Fukazawa, K. Ichikawa, M. Kawaharada, K. Nakazawa, T. Ohashi, N. Ota, M. Takizawa, & T. Tamura
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: Volume 64, Issue 5
Pages: 1
DOI
Peer Reviewed
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