2011 Fiscal Year Research-status Report
ゲージ理論と紐理論に於ける可積分性の出現と素粒子物理への予言
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23540316
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
糸山 浩 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30243158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 武志 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 数学研究所専任研究所員 (70419688)
吉岡 礼治 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 数学研究所専任研究所員 (90514555)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | integrable system / Seiberg-Witten curve / prepotential / Whitham hierarchy / USp matrix model / partial susy breaking / quiver matrix model / Nekrasov function |
Research Abstract |
平成23年度は、研究計画調書に掲げた6つのうちで研究計画(4)部分的自発的に破れた拡大超対称性を持つゲージ理論(FIS模型)のさらなる進展 に於いて大きな成果があった。慶応大学 丸氏との共同研究によりこの模型には、Dterm Dynamical Supersymmetry Breakingを起こす metastable vacuumがあることを南部JONA-LASINIO流のHartree-Fock近似により発見した。この結果をSUSY2011等国際会議、セミナーで話した。metastable vacuumのdecay rate NG fermion の性質について考察を加えて、進展が得られている。研究計画のうち2d-4d connection関係(1)(2)については大田とAffine quiver matrix modelの論文を著し、米澤とはNekrasov parametersをFULLに含んだ場合についてのhalf genus expansionの論文を著し、着実な進展があった。また吉岡・大田と協力して、GL Calogero-Sutherland模型の構造に則り、qの冪根極限を取ることにより前年度出版した糸山・大田の仕事に基づく計算方法が適用出来ることが判明しており、ALE空間上でのinstanton和との関係が予想される。論文を作成中である。今年度最後三箇月は、Mironov, A.Morozov,And. Morozovと協力して行列模型、CーS理論及び二次元場の理論相関関数のMONODROMYと密接に関係するBRAID群の表示によるHOMFLY KNOT POLYNOMIALの体系的な研究に力を注いだ。既に2本の論文を著しており、3本目もほどなく完成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に掲げた6つのうち (4)に関しては、予想を超えた大きな成果が得られている。(1)(2)に関しては着実な進展があり、これからやるべきことも具体化されている。(3)PREPOTENTIALの理論に関してはあまり考察する時間がなかったがH24年度以降に多くの力を注ぐ。その代わりBRAID KNOTに関する研究が進展し、これは2d-4d connectionの研究に於いても有用な道具となるはずである。(5)USP行列模型のさらなる進展 (6)N=4 SYMのS-D方程式の導出については、当初計画通りH23年度は準備期間に当てられており、予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、調書に記した6つのテーマに従って、研究を推進する。H23年度にあまり時間を費やせなかった(3)PREPOTENTIALの理論については、H24年度に重点的に力を入れて研究を進める。BRAID KNOTの研究の継続としてKZ方程式によって支配されるTORUS BLOCKの BRAIDING行列とその4次元側での意味合いの考察を進めたい。また今年度は紐理論の研究を行う大学院生2人の修士論文の指導を行なっている。過去に糸山が成果を挙げたものからテーマを選んでいる。糸山・TAYLORの宇宙項を小さくする機構の再考、TYPEI紐理論に於けるFITERMの振幅計算を指導し、これを引き金にしてさらに著しい独創性の高い研究を大学院生との共同研究として行う。(4)に関しては GLUONFUSIONのPROCESSを考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には以前に提出した予定どおりである。国内及び国外旅費に研究費のかなりの部分を使用する。海外研究者の短期的な招聘に対して、国内滞在費をまかなう。COMPUTER等の研究環境は既に整っておりこれらに対して出費はほとんどない。研究資料が膨大になっており、資料整理を何回かに分けて行う必要がある。有用な数学の図書をいくつか購入予定である。
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