2011 Fiscal Year Research-status Report
中重核領域における短寿命中性子過剰核の磁気モーメントの測定
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23540336
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠塚 勉 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (10134066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
涌井 崇志 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (70359644)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | イオンガイド法 / 原子核構造 / 磁気モーメント / 質量分離 / 不安定単寿命核 |
Research Abstract |
短寿命の不安定核を迅速,高効率で取り出して質量分離するための装置としての RF イオンガイド法を開発している.本研究では最終段階の開発として,これまでの研究により有効性を証明できた不安定核イオンが壁に付着して失われるのを防ぐ RF カーペットをガス停止容器全面に配置する.それと同時に引き出し直後の差動排気部にリニアトラップの原理を用いた六極のロッドによる RF 線形トラップ (SPIG) の導入する.また,オフラインでこれらの装置のパラメータ探索や性能試験をするための 252Cf 核分裂用線源の開発を行う.以上により現有のイオンガイドの 10 倍の収量増加を目指す.今年度は SPIG の開発に着手した.現有イオンガイドは 30 kPa という高圧領域から 10 Pa の真空領域へと移行する差動排気中間領域に高電圧での引き出し系 (DC 1kV) を用いていることから引き出し時のガス衝突による速度分散を起こし,結果として引き出し効率,質量分解能,輸送効率の劣化を招いている.そこで高真空を保ちながら低電圧での高効率引き出しを実現するために引き出し部に SPIG を導入する.研究としては SPIG の設計と製作を行い,RF 印加のための回路も製作した.そして,RF アンプとユニット式受信機用いて単体での特性を調査した.単体ではイオンのトラップに必要な 2 MHz 近傍における 180 Vpp の RF を印加できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は SPIG については設計と製作を行い,RF 印加のための回路も製作した.また,RF アンプとユニット式受信機用いて単体での特性を調査した.一方,開発を行っている東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターの施設が被災したため,冷却水等インフラが全く使用できず,当初予定していた項目のうち改良型 RF イオンガイド法の開発およびそれの性能試験のための 252Cf 核分裂線源の開発を行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究開発には CYRIC 施設の震災からの復旧が不可欠である.復旧は平成24年度中旬には完了する予定である.復旧後は SPIG を IGISOL に組み込み,IGISOL を動作中でも単体で試験した時と同様の RF を印加できることを確認する.また,動作調整及び最適なパラメータの探索にはまずは安定核を用いる.IGISOL 作動中は SPIG の設置される差動排気中間領域は 30 kPa という高圧領域から 10 Pa の真空領域へと移行する領域であり,非常に放電を起しやすい条件下にある.このため,SPIG の位置の調整などが重要なポイントとなることが予想される.これについては既存の遠隔位置調整機構を利用して対応したい.それと同時に 252Cf 核分裂線源の開発行い,これを用いて最適なパラメータを決定し,オンラインでの実験へとすすめてゆく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は当初計画していた改良型 RF カーペットの開発と 252Cf 核分裂線源の開発を次年度に延期することにより生じたものであり,延期した開発に必要な経費として平成24年度請求額と合わせて使用する予定である.
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Research Products
(1 results)