2011 Fiscal Year Research-status Report
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23540345
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
汲田 哲郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30271159)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | プラズマ加速 / レーザー加速 / キャリブレーション |
Research Abstract |
研究目的である、検出器校正のためのプラズマ航跡場加速の実現のためには、プラズマ密度、電子ビームのバンチサイズ、電荷、エネルギーと得られるプラズマ加速の関係を見積もることが最重要課題である。この目的のため、Tech-X社のシミュレーションソフトOOPICproを購入し、プラズマ中での電子の運動をParticle-In-Cell法でシミュレーションした。これは、空間を格子状に切り分けて、各格子内部のプラズマ・電子ビームによる電磁場をMaxwell方程式で計算し、各格子点に対応させる。そして、その電磁場でのビーム電子・プラズマの運動を計算して、時間をステップとして繰り返しシミュレーションを行うものである。事前に行ったキャピラリー放電によるプラズマ生成実験で、電子密度10の18乗/立方センチのプラズマが容易に生成できることが確認されたため、この密度での電子の運動シミュレーションを、様々なパラメータを変えながら行った。シミュレーションの結果、エネルギー60MeV、パンチ長1.5psecの電子バンチをプラズマ中に入射した時に、電子バンチがプラズマ加速されることを確認した。また、Behlke社の高速高電圧スイッチを用いることにより、キャピラリー放電法によるプラズマ生成に必要な高電圧パルスを、電子ビームと同期可能な短時間で発生できることを確認した。これにより、プラズマ生成装置を安価に製作できる目処がたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーションに時間がかかり、最適な条件が見つかっていないため、実験装置の製作開始に至っていない。特に、電子ビームのバンチサイズ、電荷、ビームエネルギーを現実的な値にした時の最適解を見つける必要がある。本研究では、電子ビームのバンチ全体ではなく、電子ひとつひとつのエネルギー分布を考慮する必要があるため、注意深いシミュレーションが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、Particle-In-Cell法によるプラズマ航跡場加速のシミュレーションを行い、最適なプラズマ密度と電子ビームパラメータのスタディを行う。プラズマ密度とプラズマ領域の最適化によって、入射した電子のごく一部を数百MeVまで加速できるかを検証する。キャピラリー放電を利用したプラズマ・チャンネル装置を作成し、プラズマの生成を行う。これは、長さ数cmのプラスティック製キャピラリーの両端に取り付けられた電極からキャピラリー内壁に沿った放電を起こすことにより、プラスティックを溶融させ、プラズマを生成する装置である。この装置で発生したプラズマの密度を測定し、シミュレーションにフィードバックする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
キャピラリー放電を利用したプラズマ・チャンネル装置のための、高電圧電子回路、真空チェンバー、真空装置を購入する。また、コンピューターショミュレーションに使用する、高速ワークステーションとストレージを購入する。
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