2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁場印加型エマルション検出器を用いたニュートリノ振動実験
Project/Area Number |
23540347
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 教授 (40170922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三角 尚治 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80408947)
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Keywords | 素粒子実験 / エマルション / 磁場 / ニュートリノ / ECC |
Research Abstract |
1.長基線ニュートリノ振動実験OPERAに対しては検出器本体のあるグランサッソ地下研究所でのブリック・ハンドリングを始めとしてインターフェース・フィルムのスキャンと解析、ブリック本体での二次粒子逆追跡、ニュートリノ反応点の確認と短寿命崩壊探索、物理解析、論文執筆、全てに渡って貢献するとともに技術開発を行い、経験を蓄積した。OPERA実験ではハドロン反応がタウ崩壊のバックグラウンドとなる期待値をモンテカルロ・シミュレーション(MC)で見積もっているが、その検証のため、ハドロンビームを照射したECC検出器のフィルムを解析し、反応数、二次粒子多重度、放出角度、運動量、横運動量などの分布を詳細に比較した。その結果、MCはハドロン反応をよく再現できることがわかり、実験全体の信頼度を向上させることができた。 2.上記研究の中で、大角度飛跡まで観測可能な広視野自動飛跡読み取り装置を独自に開発した。柔軟な対応が可能なGPUを用いた測定システムで、次世代の磁場印加型ニュートリノ実験でも威力を発揮する。最終年度は高速化を目指し、改良を検討した。高速化により、1フレーム当たりの光量が減少するため、従来のハロゲンランプからより輝度の高い照明光源への変更が必要になる。価格、発生熱量、制御しやすさなどを考慮してLED照明系の導入を決定し、一部製作を行った。 3.スペクトロメーター用エマルション検出器・本体構造の研究では、バネを用いた構造体によるエマルション検出器を製作してハドロンビームを照射し、歪みやズレの研究を行った。最終年度には欧州の研究者達と議論し、MCを実施して次実験における電荷符号識別効率や運動量測定可能確率などを評価した。 4.エマルション検出器中での低エネルギー電子の振る舞いについて、Geant4によるMCを開発し、実験データと比較した。これは電子ニュートリノ反応検出の基礎研究である。
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Research Products
(8 results)