2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540370
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
星 健夫 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272384)
|
Keywords | 大規模電子状態計算 / 超並列計算 / 京コンピュータ / ナノ構造材料 |
Research Abstract |
10ナノメートル系のナノ構造プロセスの理解に必須である、第一原理に基づいた大規模計算手法を実現する研究に取り組んでいる。プ ログラムコードはELSESの名前がつけられ、企業研究者なども含めて利用されている(http://www.elses.jp/)。具体的には、クリロフ 部分空間に基づく数理アルゴリズムを基盤とし、第一原理にもとづくモデル化(タイトバインディング型)システムを用いている。数 理手法は汎用のため、金属系・半導体系など、幅広い系に適用できる。本年度は、「京」コンピュータ10万コアクラスでの超並列計算を想定し、分散メモリ型プログラムコードの開発と、応用計算にとりくんだ。応用例としては、次世代ディスプレーなどの基礎材料である有機EL型アモルファス状共役高分子(ポリ-(9,9ジオクティルフルオレン))および、次世代長強度材料(ナノ多結晶ダイアモンド)研究の基礎であるsp2(グラファイト型)-sp3(ダイアモンド型)ナノ複合カーボン固体、である。「京」コンピュータでは、前年度の10倍である1億原子系で全コア(66万)コアまでの並列が達成された。並列効率(強スケーリング値)としては、たとえば、ナノ複合カーボン固体系では、3.2万コア計算を基準として、約10万コア計算でα=0.98、約30万コア計算でα=0.90、全コア(66万コア)計算でα=0.73、であった。1億原子はシリコン単結晶での126nm立方領域に相当し、100nmスケール構造の系が扱えるようになったことを意味する。
|