2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルコフ連鎖モンテカルロにおける幾何学的手法の研究
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23540438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤堂 眞治 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10291337)
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Keywords | 計算物理 / モンテカルロ法 / アルゴリズム / 磁性 / 統計物理 / 物性基礎論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「埋め立て法」や「Walker法」に代表される独創的な幾何学的手法をさらに発展させることにより、モンテカルロ法の収束を劇的に改善する方法を見出し、それらの新しい手法を強相関多体系の統計力学に応用し、さらに、新しいアルゴリズムに基づくソフトウェアの整備・公開することにある。 我々の「埋め立て法」では、1)詳細釣り合いを明示的に破り、2)棄却率を最小化する。さらにこれを拡張し、詳細釣り合いを満たしつつも棄却率を最小化するアルゴリズムも開発している。この方法は、ポッツ模型の局所更新法に用いた場合、従来の埋め立て法と同程度に有効であることが示されている。このアルゴリズムは、ダイナミクスなど詳細釣り合いの有無が影響する場合に特に有用である。 また、「埋め立て法」の連続系への応用を行った。従来の熱浴法を拡張するだけでなく、分子動力学法を用いたハイブリッド法を組み合わせることにより、従来の方法に比べ、数倍~10倍程度効率良くサンプリングが行えることを示した。 さらに、量子モンテカルロ法によるエネルギーギャップの精密測定法、「量子モンテカルロレベルスペクトロスコピー法」の開発とスピンパイエルス系の相転移への応用、トポロジカルな秩序変数として期待されている局所Z(N)ベリー位相の量子モンテカルロによる測定法の開発、相互作用の非等方性が強い系に対する有効な有限サイズスケーリング法の開発と非等方性起源の有限サイズスケーリングへの強い補正の起源の解明を行った。 さらに、「埋め立て法」のための汎用ライブラリBCL (Balance Condition Library)とそれを応用したワームアルゴリズム量子モンテカルロ法アプリケーションWormsを開発し、インターネット上で公開した。
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Research Products
(21 results)