2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロエピタキシャル表面での吸着結晶形態の自己組織化
Project/Area Number |
23540456
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 幸夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20162240)
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Keywords | ヘテロエピタキシー / 微細加工基板 / SI/SiO2界面 / 自己組織化 / 格子歪み |
Research Abstract |
結晶基板上に異質原子が吸着するヘテロエピタキシーの系で見られる自己組織化について、計算機シミュレーションと理論解析を行って調べた。 基板と吸着系の原子サイズが異なるため、格子不整合に伴う歪エネルギーが吸着島の形態や濡れ性に影響する。本年度は柱状に微細加工した基板上に乗っている吸着島に対して、濡れ性と歪エネルギーの競合で現れる新しい状態として非対称キャシー・バクスター状態の存在を示し、また濡れが強いときには不完全串刺し状態という新しい状態を見出した。この成果は液体では見られない、結晶に固有の濡れ現象であり、新規性に富んでいるので、Phys. Rev. Lett.に掲載決定された。 またこれまでSiO2基板上のSi結晶島が高温でSiOを形成しながら蒸発していくときの、結晶島の異常拡散について、本質を抽出した簡単なモデルを提案し、シミュレーションと理論解析を行ってきた。本年度、ほとんど島サイズに依存しない拡散係数の起源が基板と吸着結晶と真空外界との三重点でのピンニング/脱ピンニングによるものであることを見出し、実験との比較を行った。この結果については論文を投稿中である。 また、平らな基板の上でヘテロ結晶成長するとき、多数の結晶核が同時に生成して多結晶となる。多結晶が方向性成長するとき隣接する結晶粒の間で競合して粗大化が起きる。以前、弾道蒸着成長系でこの結晶粒の粗大化を調べたが、より基本的な場合としてファセットを持つ結晶粒の幾何学的選別をシミュレートし、2次元系では既知の理論が正しいけれど、3次元系では新しいスケール則が成り立つことを見出した。
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[Presentation] Domain competition in deposition growth
Author(s)
Keiyu Osada, Hiroyasu Katsuno, Toshiharu Irisawa, Shintaro Suzuki, and Yukio Saito
Organizer
17th International Conference on Crystal Growth and Epitaxy
Place of Presentation
University Warsaw, Warsaw, Poland
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