• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

ナノクラスターのメソスケールダイナミクスの研究

Research Project

Project/Area Number 23540459
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

清水 寧  立命館大学, 理工学部, 准教授 (30388128)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 研介  立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
保田 英洋  大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教授 (60210259)
澤田 信一  関西学院大学, 理工学部, 教授 (80253904)
新山 友暁  立命館大学, 立命館グローバルイノベーション研究機構, ポストドクトラルフェロー (00583858)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsナノクラスター / 分子動力学
Research Abstract

ナノサイズクラスターの実験と力学系理論の連携を目指す本研究では、次の2つの実験のモデルでの再現とその解釈が重要である。(1)金属クラスター内の原子の高速拡散に起因する急速合金化(2)Auクラスター表面近傍における欠陥のスライド運動11年度はこれら実験でのメソスケールにわたる原子ダイナミクスをエネルギーランドスケープでの遷移過程と結びつけることを目指した。(1)については金属クラスターの場合、複雑な多谷構造をもつランドスケープが数値的アプローチを困難にする原因となる。一方アルカリハライドクラスターは、金属同様に高速原子拡散を披瀝するが、エネルギーランドスケープ上で安定状態が極端に少ない。その利点に注目し、金属クラスターのためのケーススタディとして、3種のイオンからなるアルカリハライドナノクラスター(KCl-KBr)でのメソスケールダイナミクスにみられる拡散の素過程を、経験的ポテンシャルモデルに基づき数値的に調べた。すでに我々は2種のアニオンがが空孔機構で運動していることを見いだしていたが、この空孔の生成エネルギーにサイズ依存性があることを示す傍証を得た。我々はこれを以前発表していたが、本年の共同研究で確度の高い検証をした。統計理論によると空孔の拡散は空孔生成エネルギーと空孔移動エネルギーに支配されている。我々は空孔拡散の反応経路を数値的に探索し、それによって空孔移動エネルギーも評価した。この2つの量の評価からクラスターサイズが小さくなることで空孔生成エネルギーが小さくなることがアルカリハライドクラスターの高速拡散の起源であることを見いだした。(2)については保田が提案している欠陥スライド運動の原子配置モデルと半経験的ポテンシャルモデルである原子埋め込み法を組み合わせて表面クラスターモデルを作成することを試みている。しかし下記の理由でうまくいっていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究テーマの主題の1つであるAuクラスター表面の欠陥のスライド運動の解析に遅れが発生している。これは分子動力学シミュレーションを行うための表面モデルの作成がうまくいっていないことに起因する。実験との対照を考慮すると、原子埋め込み法(EAM:Embedded Atom Method)に基づく表面モデルを用いることが現実的である。このためには空孔を表面下一層目に含むような配置がエネルギー的に安定であることを確認した上で、欠陥のダイナミクスを分子動力学でシミュレーションする必要がある。しかしながら実験で予想される表面構造をもとにしてスライドする欠陥の周囲の配置の再現を試みたところ、我々のモデルではこの配置が安定状態にないことという状況に直面した。この原因としては以下の(a)(b)(c)の可能性が考えられる。(a)バルクのためのモデルであるEAMが表面近傍の原子構造に対する記述能力をもたない(b)表面構造を再現するためのクラスターモデルのサイズの不適切さ(c)単なるプログラムのミス他の研究分担者と連携しながら、この原因の究明をしている状態である。

Strategy for Future Research Activity

欠陥スライド運動を再現する表面モデルにおける問題点の解明を進める。それとともに他のタイプの半経験的モデル(tight-binding modelに対する2次モーメント近似モデル)を用いて構造の安定性を検証する予定である。これによってEAMを採用したことによる固有の事情のの影響を推定できると考えている。また本研究の目標の中で、原子の運動の中に非熱的な振る舞いを見つけ、その特徴付けを力学系理論に求めることとしている。その一歩として統計論(遷移状態理論)の結果と分子動力学シミュレーションの結果を比較することを通じて、エネルギーランドスケープ上のダイナミクスでの運動の『質』の解析を検証する段階に進めることを今後の推進方策として考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

金属クラスターのより複雑なエネルギーランドスケープ構造を数値的に探索することと長時間ダイナミクス(メソスケールダイナミクス)の検証を通じて運動の『質』を検証するために使用するPC(数量1価格40万)を購入する予定である。また関連分野の研究者を意見交換のため海外から(1名)招聘する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 空孔遷移PESによるクラスター内原子拡散の速度評価2011

    • Author(s)
      新山友暁,清水寧,澤田信一,池田研介
    • Organizer
      日本物理学会秋季大会
    • Place of Presentation
      富山大学(富山県)
    • Year and Date
      2011年9月23日
  • [Presentation] 希ガスクラスター系のカオスと融解ダイナミクスI2011

    • Author(s)
      清水寧
    • Organizer
      日本物理学会秋季大会
    • Place of Presentation
      富山大学(富山県)
    • Year and Date
      2011年9月22日
  • [Presentation] 量子細線中の2電子の量子カオスと古典カオスII2011

    • Author(s)
      増田俊平,澤田信一,清水寧
    • Organizer
      日本物理学会秋季大会
    • Place of Presentation
      富山大学(富山県)
    • Year and Date
      2011年9月22日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi