2012 Fiscal Year Research-status Report
宇宙線によるイオン誘起核生成過程の加速器を用いた実験的研究
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23540462
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
冨田 成夫 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30375406)
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Keywords | エアロゾル |
Research Abstract |
平成23年度に製作したコロナ放電による微粒子生成実験装置により微粒子の生成およびその分布を把握できるようになった。本年度ははコロナ放電によって生成される液滴粒子の荷電状態を分別するための荷電粒子除去装置の設計および製作、また、23年度に購入した微粒子計測システムの制御ソフト開発および動作テストを行った。 微粒日計測システムの制御ソフトはLabViewを用いて作成し、コロナ放電による液滴をもちいて実際に液滴が観測できることを確認した。さらに、これに荷電粒子除去装置を加え、生成液滴の荷電状態の分離を試みたが、現時点ではコロナ放電によって生成される粒子は殆どが中性であるような実験結果が得られているが、これは本来我々が予想していた結果とは大きく異なるものであり、我々としては実験装置に設計制作上の問題点があると考えている。具体的は内壁の状態による乱流の発生が考えられ、これを改良するために内壁を研磨した新たな荷電粒子除去装置を作成した。 現在、この新しい装置をテストするため、微粒子計測装置を移動度分級装置に置き換え、荷電粒子を除去したのちの荷電粒子の量を直接測定することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年、加速器を用いないで実験が可能なようにコロナ放電による実験装置を立ち上げ、これにより、さらに明確に液滴生成プロセスを実験することを可能にしたが、その立ち上げに要した時間分、荷電粒子分離装置の開発が遅れているのが実態である。 さらに、実験装置の信頼性を上げるためのテストを迅速に行うことが要求される。
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Strategy for Future Research Activity |
加速器の代わりにコロナ放電を用いた実験計画に変更し、DMA(微分型移動度分析器)および微粒子計測装置を用いた帯電液滴の移動度分布測定の実験装置の構築を行った。さらに荷電粒子分離装置の製作を行ったが、現時点での実験データは我々の予想とは大きく異なっており、新しく制作した荷電粒子分離装置にに問題があると考えられる。 今後はこの荷電粒子分離装置の問題点を解明し開発を進めるため、改良した実験装置を製作し、移動度分級装置(DMA)をもちいて動作の確認から取り掛かることにする。荷電粒子分離装置の完成をみて、負イオンでの液滴生成実験、正負、両極イオンのでの(再結合過程を含む)液滴生成実験を行う。それぞれの結果を比較することにより正負イオンそれぞれに特有な役割を明らかにするとともに、再結合によって生成されるラジカルの役割を特定することを目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
加速器の代わりにコロナ放電を用いた実験計画に変更し、これによる新たな実験装置の構築を行ったため、予定していたよりは実験の実施回数が少なくなった。また、実験装置の開発の遅れから、学会発表の件数が少なくなった。 本年度は学会発表が少なくなった分、開発に研究資金を回し、また、研究結果の系統的な取得とともに成果発表の機会も増えることが予想され、当初の旅費は旅費として使用予定である。
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