2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線によるイオン誘起核生成過程の加速器を用いた実験的研究
Project/Area Number |
23540462
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
冨田 成夫 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30375406)
|
Keywords | 液滴生成 / 宇宙線 |
Research Abstract |
23年度に作成したコロナ放電による微粒子生成実験装置により微粒子の生成、およびその分布を測定し、さらに24年度に作成した荷電粒子除去装置により生成された微粒子の電荷状態を調べた。実験の結果、コロナ放電によって生成された微粒子はその大部分が中性であることが強く示唆された。 これはSO2の酸化によって生成された硫酸によって空気中の水分子が凝集するBinary Nucleationが放射線による液滴生成において重要な役割を果たしていることを示唆しており、我々が従来の加速器を用いた実験において示したSO2酸化過程の重要性を示す実験データと一致している。 明らかに再結合の起こらないコロナ放電中でも中性の微粒子が多く見受けられたという上記の知見により、微粒子生成における最も重要な役割はSO2の酸化による硫酸の生成にあることが明らかになったものの、その酸化過程については明らかになっていない。また、SO2消費量と液滴の生成量の関係も通常のBinary nucleationと異なることから、液滴生成と深く関係したSO2の酸化メカニズムの存在が示唆される。 SO2の酸化過程により注目するため、生成された液滴に含まれる硫酸中の硫黄の同位体分析を計画し、東京工業大学服部氏との共同実験を確立した。同位体分析を行うことにより、酸化剤の役割をする成分について知見を得ることを目標とした。今年度は液滴およびSO2の捕集方法の確立を行った。
|
Research Products
(3 results)