2013 Fiscal Year Annual Research Report
中性原子量子コンピュータにおける選択的量子ゲートの実装
Project/Area Number |
23540470
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 哲巨 近畿大学, 理工学部, 研究員 (70025435)
近藤 康 近畿大学, 理工学部, 教授 (40330229)
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Keywords | 量子コンピュータ / 量子ゲート / 中性原子 / エンタングルメント / 量子誤り訂正 / 量子制御 / 国際研究者交流 / 中国:ブラジル:米国 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、中性原子系を用いて量子コンピュータを実現する上で必要となる選択的な2量子ビットゲートの実装を提案することであった。2011年度に発表した論文では、穴の半径が制御できるフレネル回折光と強度と位相が制御できる1次元光格子を用いてそれを実現する提案を行ったが、2013年度は技術的に最も困難であると思われる穴の半径の制御を必要としない提案を行った。ただし、これにより実現する2量子ビットゲートは、最近接原子対にしか作用できず、遠くの原子対にゲートを作用させるにはSWAPゲートを多用しなければならない。この新しい提案により、我々の2量子ビットゲートの実装がさらに現実的になった。また、量子コンピュータの実現に対し障害となるデコヒーレンスの克服に向けた研究として、量子誤り訂正、非断熱的量子ゲートなどについても研究を行った。量子誤り訂正の研究では、"高価な"純粋状態の補助量子ビット(アンシラ)ではなく、任意の混合状態にあるアンシラを用いる理論を開発した。また、すべての量子ビットに同一のノイズが作用するときに、情報をもつ量子ビットがノイズの影響を受けないような符号化を、任意の数の量子ビット、および量子ディット(d種類の状態を持つ量子系)に拡張した。量子制御を時間がかかる断熱制御の束縛から解放するために、Lewis-Risenfeld不変量を用いた非断熱制御を解析し、一般的なハミルトニアンを用いて1および2量子ビットゲートの幾何学非断熱ゲートの制御を発見した。中性原子系における2量子ビットゲートの実装を行う上で、時間的にボトルネックとなるのは光格子を用いて断熱的に原子を移動させるプロセスである。これを解決するために平成26年度採択の科研費では、リー代数を用いた非断熱制御の研究を行う。これにより、本科研費の研究にも有益なフィードバックが得られると確信する。
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Research Products
(11 results)