2013 Fiscal Year Annual Research Report
環動ゲルと紐状ミセルのネットワーク構造と粘弾性のシミュレーションによる研究
Project/Area Number |
23540474
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
瀧本 淳一 山形大学, 理工学研究科, 教授 (50261714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUKUMARAN S.K. 山形大学, 理工学研究科, 助教 (70598177)
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Keywords | 絡み合い抽出 / 高速ずり流動 / 分子鎖拡散 / 界面スリップ / 誘電緩和 |
Research Abstract |
高分子溶融体の絡み合いネットワークについて詳しい知見を得るため、前年度に引き続き剛直鎖と柔軟鎖の相溶ブレンドを調べた。分子動力学(MD)シミュレーションの結果に絡み合い抽出の方法を適用することで、ブレンド中では2種類の分子鎖の管直径が一致するという結果を得ていたが、更に緩和弾性率や分子鎖の拡散をMDシミュレーションで求め、絡み合い抽出や理論の予想と大きく矛盾しない結果を得た。拡散に関しては中間的な時間領域(レプテーションに対応)で平均二乗変位が逆転する(単体では拡散の遅い剛直鎖の拡散が柔軟鎖を上回る)という興味深い現象を見いだした。 流動による絡み合いネットワークの組み替えについて知見を得るため、スリップリンクモデルにより高速流動下での分子運動を調べた。その結果、ずり流動下では分子は全体として回転運動を行っており、回転速度はずり速度の1/2乗に比例することを見いだした。また、流動下での緩和現象を調べるため、定常ずり流動下での応力および誘電緩和をMDシミュレーションにより調べた。その結果、流動により緩和時間がおよそずり速度の逆数にまで加速されることを確認した。これは、流動により分子鎖が絡み合いから引き抜かれる効果(CCR)をMDシミュレーションで直接検証したものである。 2種類の非相溶高分子の界面における絡み合いの情報を得るため、界面スリップに関する実験的研究も行った。新しいスリップ速度の評価法を提案し、ずり速度によりスリップが2つの領域(スリップ速度のずり速度依存性が異なる)に分かれることを見いだした。
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Research Products
(10 results)