2014 Fiscal Year Annual Research Report
GOCE衛星重力データを用いた南極昭和基地周辺の重力場決定とその応用
Project/Area Number |
23540494
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 洋一 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30133854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野木 義史 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90280536)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | GOCE / 衛星重力 / 航空重力 / 重力異常 / 重力ジオイド / 南極昭和基地 / LSC法 / 力学的海面高度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2009年3月に打ち上げられたGOCEの衛星重力データを利用し、南極昭和基地周辺の陸上・海洋・航空重力データを統合することで、空間波長100km以上の長波長域での格段の精度向上を図り、高精度な重力場決定を行い、さまざまな地球物理学的応用研究への応用を目指したものである。昨年度までに、既存の地表データの収集ならびにGOCEデータとの比較等を行い、GOCEデータをもとにした重力場モデル(EGM)を長波長重力場のレファレンスとして、LSC (Least Squares Collocation)法で、地上重力データを結合した重力場決定について、ほぼ、完了していた。一方、GOCE衛星は、その運用が当初の予定を大幅に延長され、2013年10月までのデータが取得されたことから、今年度、これらのデータをすべて使用したEGMが公開されるのを待って、すべての再処理を行った。 具体的には、今年度まず、使用した船上重力データの再処理結果をまとめ、その成果を南極資料として公表した。次に、最新のGOCE-EGMを用いて最終的に得られた昭和基地周辺の重力場について、その精度評価を行い、重力異常の精度はデータの密な領域で数mgal程度、同じくジオイド高は10㎝より良いと見積もった。また、昭和基地のGPS点における実測ジオイドとの比較から、昭和基地周辺での力学的海面高度の値を求めた。さらに、これまでに公表されているGOCEのEGMについて、航空重力データを使用した検証を試み、新しいEGMほど精度が向上していることを示した。これらの成果は、今年度、国内外の学会で発表したほか、論文としてまとめ、Polar Science誌に投稿中である。
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