2013 Fiscal Year Annual Research Report
石垣島・宮古島における津波堆積物の調査ー巨大地震を繰り返す琉球海溝沈み込み
Project/Area Number |
23540498
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安藤 雅孝 琉球大学, 理学部, 客員教授 (80027292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 衛 琉球大学, 理学部, 准教授 (60295293)
宍倉 正展 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00357188)
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Keywords | 津波 / 津波堆積物 / 海溝系地震 / 琉球海溝 / 石垣島 / 有孔虫 / C14年代測定 / カップリング率 |
Research Abstract |
沈み込み帯には巨大地震を伴うものと伴わないものがある。後者は、伸張場の応力場の下にあるとされ、琉球海溝はそのうちの一つと考えられている。その理由は、背弧海盆が拡大していることにある。しかし、琉球海溝でこの地域に1771年大津波が襲い、波高は30mに達したことが、古文書や種々の調査から明らかにされており、琉球海溝が巨大地震発生の場であることを示唆している。本研究では、完新世の地層の5カ所で発掘調査を実施してきたが、本年度は、石垣島伊原間での掘削を述べ350m掘削して調査を行った。この結果、過去3回の津波が明らかにすることができた。二枚貝や枝珊瑚を用いて、C14の年代測定を行い、3層の津波は、上の層から順に、1771年八重山津波、その前が、今から約800年前、一番古い津波が今から約2000年前であることが明らかにされた。津波層は、黒色ないし黒茶色の陸成の土壌に比べ、白っぽく、珊瑚や貝などの石灰質の物質に富んでいるため、一目で判断できる。このような巨大な規模の津波の襲来は考えられない。1771年の遡上津波高分布に基づき、津波の発生源を求めると、琉球海溝で発生したプレート間逆断層地震と考えるのが妥当である。沈み込み速度から考慮すると、沈み込み速度の20―30%が地震時の滑りとなっていると考えられる。
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