2012 Fiscal Year Research-status Report
「かぐや」月全球重力場モデルにもとづく盆地補償メカニズムと形成過程の研究
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23540500
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
竝木 則行 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 副所長 (50274428)
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Keywords | 月内部構造 / 重力 / 境界要素法 |
Research Abstract |
本研究計画の第二段階ではType I から II への遷移と,Type II から primary mascon 盆地への遷移を定量的に検証する数値モデルの構築を計画している.Type I と II 盆地の大きな違いは盆地中央の正の重力異常の幅と高さ,地形の凹凸である.長波長の盆地のくぼみと外周リング地形が重力と強い相関を維持したまま盆地中心を変形させるためには,弾性変形や粘性変形では説明が困難である.これらの盆地では共通して多重リング構造が認められることから,大規模な断層構造の発達(脆性変形)が重要な役割を果たしていると考えられる.そこで,境界要素法を用いた弾性・脆性変形モデルを開発する計画である.Type I, II 盆地の直下ではモホ面が隆起しており,正のフリーエア重力異常からはこの隆起が過補償状態にあると考えられる.モホ面隆起によって生じる応力場を計算し,破壊条件と照合して,断層の初期発生条件を探索する.破壊条件を満たしているケースでは,新たな境界面(即ち断層)を境界要素モデルに追加し,応力場を更新する.この過程を繰り返すことによって,多重リング構造の形成過程を模擬することが可能となる.3次元軸対称境界要素モデルの基礎方程式は確立したので数値モデル化を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
弾性体の境界要素法モデリングでは,半無限弾性体のグリーン関数が必要である.2次元でのグリーン関数はよく知られており,これを応用した境界要素法の解放は多くの教科書に掲載されている.しかし,本研究計画で取り扱おうとする3次元軸対称のグリーン関数はほとんど知られていなかった.本研究計画では,このグリーン関数を見出し,複雑な関数系の導出を終えた.次年度に向けて,数値モデルを開発するための準備が整った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に達成した,3次元軸対称境界要素モデルの基礎方程式を用いて,数値計算モデルを開発する.平成25年度は弾性変形による応力計算結果に脆性変形の破壊条件を適用し,リング構造発達の模様を数値計算で検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
数値モデルを開発するために,数値計算機の部分的増強を行う.また開発モデルについて討議するために,学会等で積極的に講演を行いたい.このための旅費として使用する.
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Research Products
(8 results)