2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540506
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花輪 公雄 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40142921)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | XBT / 落下速度 / 粘性 / 水温 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度である平成23年度は,XBT(投下式水温水深計)のT-6型,並びにT-7型プローブを購入し,より高精度の速記であるCTD(電気伝導度-水温-水深計)との比較実験を行った.使用した船舶は,東京海洋大学練習船神鷹丸で,平成23年8月6日~10日までの公開で行った.とりわけT-7型プローブの一部では,標準重量よりも10グラム軽いプローブ2ダースと,20グラム軽いプローブを2ダース,特注で制作したもらい,標準重量のプローブの落下速度との比較を行った. 得られた比較実験結果を解析したところ,軽いプローブほど遅く,重いプローブほど速く落下する傾向があり,この傾向は数値モデルで予想される傾向と一緒であることが分かった.しかしながら,定量的には,モデルで予想されるよりも小さな変化であることも分かった.さらに,海水の水温との関係を調べてところ,低水温域では遅く,高水温域では速く落下していることが見出された.この傾向も,海水の温度による粘性の違いで説明できる.しかしながら,この粘性の水温による違いを定量化するためには,さらに実験結果の蓄積が必要なことも分かった. 以上の成果は,2012年度日本海洋学会春の大会(3月26日~30日.筑波大学)で,発表された.また,海外の研究者へも随時情報を流しており,平成24年度内に,本研究課題で行っていることをテーマに,研究会が開催されることになっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は順調に行われ,良好なデータが取得され,それらへの解析も十分行われた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度もXBTとCTDの比較実験を行い,解析データを取得することとする.さらにそれらの解析結果と,数値モデルの結果を比較する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもな経費(90%)は比較実験に用いるXBの購入費用にあてられる.
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