2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540532
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
星 博幸 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90293737)
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Keywords | 地質学 / テクトニクス / 地球電磁気学 / 層位・古生物学 |
Research Abstract |
25年度は主に三重県一志地域(一志層群)における地質調査,試料採取,残留磁化測定を実施した.また,前年度実施した長野県富草地域(富草層群)の地質と古地磁気についても追加データを取得した.残留磁化測定は高知大学海洋コア総合研究センターで実施した. 一志層群では,これまでに古地磁気データの報告がない下部層準に焦点を絞って調査した.全般的に残留磁化が微弱で,固有残留磁化成分が分離できない試料が多かったが,それでも試料採取した25地点の約8割について残留磁化極性を決定でき,一志層群下部(波瀬層および大井層下部)の古地磁気層序を確立することができた.これらの地層はChronozone C5Er-C5Dr(約18.5-17.5 Ma)に対比可能である.この成果と先行研究の結果を合わせ,一志層群全体にわたる古地磁気層序が確立され,堆積年代が判明した.古地磁気方位は正逆両極性を示し,それらは一様に南北から時計まわりセンスに30°ほど偏向していた.これは一志層群下部の堆積後に本地域で30°程度の時計まわり回転運動が起こったことを示す.この回転量は先行研究によって一志層群上部から報告されている回転量(約45°)よりも小さい. 今年度判明した一志層群の回転量と,前年度までに得られた愛知県知多半島(師崎層群),愛知県設楽地域(北設亜層群),長野県富草地域(富草層群)の回転量データを合わせ,オロクライン・テストを試みた.その結果,中央構造線の地表トレース(一般走向)は約17 Ma頃には直線状だった可能性が高いことが判明した.
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