2011 Fiscal Year Research-status Report
河川砂礫堆の3次元形成ダイナミクス:水路実験と現世堆積物のGPRによる融合
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23540538
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
熊代 浩子 (岡崎 浩子) 千葉県立中央博物館, その他部局等, 主席研究員 (10250135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (10392630)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | GPR(地中レーダー) / 3次元解析 / 河川堆積物 / 河川砂州 |
Research Abstract |
GPR(ground penetrating radar地中レーダー)の探査深度と分解能は,アンテナの中心周波数と媒質によってかわり,同一の媒質であればより高周波で探査深度は小さくなるが分解能があがる.本研究はこの特性を生かして異なる周波数のGPRのアンテナ(水路実験では,1GHz以上,野外の沖積河川では100MHz~200MHz)を用いて,水路実験堆積物と現世堆積物の3次元内部構造を探査し比較するものである.本年度は水路実験による砂州形態のGPR測定の準備をおこなった.すなわち,小型平面水路(長さ360cm×幅90cm×高さ30cm)において,河川流路を形成し,水理条件の変化による流路の平面形状の変化と砂州の移動・分岐に着目した.蛇行州(寄州)および網状州などの砂州の形成とその変化過程の観測をおこなった.次に,実際の沖積河川のいくつかの砂州(蛇行州,網状州,交互州,複列州など)のこれまでの研究報告例などの検討からGPR測定調査地を検討した.その候補として,安倍川の網状州を選定した.安倍川は土砂供給量が多くその砂州は形態変化が激しい.このような土砂供給による変化は水路実験でも供給量を急激に増加すると同様の変化が認められるものである.したがって,沖積河川におこっているこのような砂州形態の変化が実際にはどのようなGPRで認知される反射面を形成するのかを踏まえ,今後,水路実験でのGPR測定を計画することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の23年度の研究計画は,水路実験を中心に,GPRを用いて流路変遷の時系列の復元を目的としていた.実験をすすめるにあたり,より実験堆積物の形成を現世堆積物と対比つけられるように,現世堆積物の調査対象を同時にすすめることとし,当初の計画を変更したため.
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究費が生じた状況は,「現在までの達成度」に述べたように,計画の変更により,水路実験でのGPR測定を行わなかったことによる.翌年度以降に請求する研究費と合わせて,24年度は現世堆積物のGPR測定結果をふまえて,水路実験堆積物の形成を計画を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.調査河川の砂礫堆地形のGPS測量をおこなう.2.調査河川の砂礫堆のGPR探査をおこなう.3.複数の側線による結果から,3次元断面を求める.4.OSL年代測定用サンプルを採取する(測定は委託).5.粒径や堆積構造の確認のため,ボーリングコアを採取する.
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