2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下での時間分解ラマン分光測定によるケイ酸塩の準安定相転移
Project/Area Number |
23540558
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 尚敬 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (30335418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥地 拓生 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (40303599)
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Keywords | ラマン分光 / 含水ケイ酸塩高圧相 / パルス中性子回折 / 結晶構造解析 / リートベルト法 |
Research Abstract |
地球深部に沈み込む海洋プレート中に存在すると考えられる、含水マグネシウムケイ酸塩高圧(DHMS)相中の水素原子位置を精密決定する目的で、川井型マルチアンビル高圧装置による合成を行った。中性子線回折において十分なシグナルーバックグラウンド比のパターンを得るためには、放射光X線回折の数十倍の試料体積が必要である。そこで、一度のRunにつき最大約100 mgの粉末試料を回収できるセルアセンブリを開発し、15GPa、900-1100°Cの条件で重水素化したPhaseE粉末を得た。 本研究課題で立ち上げたラマン分光装置での測定により、回収試料は軽水素のコンタミネーションが十分に小さく、水素分布も均質であることを確認し、この粉末試料を中性子の吸収が小さいTiZr合金、あるいはバナジウム製の容器に密封して、J-PARC MLFのBL19(TAKUMI)及び、BL20(iMateria)にてパルス中性子線を照射し回折パターンを取得した。得られた中性子回折パターンの散乱強度はバナジウムの非干渉性散乱パターンにより規格化した結果、非常に平坦なバックグラウンドを得ることができた。この回折パターンのリートベルト解析から、重水素化phaseEの結晶構造中では、従来C軸方向に配向していると考えられていたOD結合が、C軸から傾斜していることが明らかになり、MgO6八面体からなるシート間に水素結合が存在する可能性が示唆された。現在、PhaseEの含水量とOD結合の傾斜角との関係の解析を進めている。
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[Journal Article] Pulsed neutron powder diffraction at high pressure by capacity-increased sapphire anvil cell2013
Author(s)
Okuchi, T., Yoshida, M., Ohno, Y., Tomioka, N., Purevjav, N., Osakabe, T., Harjo, S., Abe, J., Aizawa, K., Sasaki, S
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Journal Title
High pressure Research
Volume: 33
Pages: 777-786
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