2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540563
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 准教授 (40409496)
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Keywords | ハイドレート |
Research Abstract |
宇宙空間には大量の水が存在し、生命の発生源の一つとして注目されている。例えば、極低温下で宇宙塵に凝集した水は、アモルファス氷やハイドレートの薄膜として存在する。この薄膜表面では、様々な分子の合成反応が起こる。従って、薄膜表面の構造は、宇宙空間における物質進化の過程を探る上で重要な鍵となるが、ハイドレートの表面については研究された例がほとんどなく、その構造や物性は明らかではない。本研究では、ハイドレート表面が持つ触媒機能の可能性を調べることを目的とし、赤外分光法を用いて、二酸化炭素クラスレートハイドレートの表面構造を解析する。 本年度は、試料生成用の低温真空チャンバーを作成し、このチャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムを構築した。ハイドレート薄膜を気相成長させるために、チャンバーには、冷却基盤、液体窒素循環系、ガス導入孔、赤外線入射路および反射光導出路を設置した。このチャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムが完成し、ハイドレート薄膜の生成が可能であることを確認している。詳細な生成方法の検討およびスペクトル解析については平成25に実施する予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は、試料生成用の低温真空チャンバーを組みこんだ赤外分光測定システムを完成させ、このシステムを用いたハイドレート薄膜の生成とスペクトル解析を計画していた。年度前半に赤外分光測定システムを完成させたが、年度後半は産前・産後休暇および育児休暇を頂いていたため、詳細な解析には至っていない。平成25年中には、詳細な試料生成方法の検討およびスペクトル解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、前年度までに作成した赤外分光測定システムを用いて、ハイドレート薄膜の生成法を検討する予定でいる。この生成法を用いて二酸化炭素ハイドレート薄膜を生成し、薄膜の厚さ変化に伴うスペクトルの形状変化を解析することを計画している。この結果を基に、表面層の構造(分子配置の無秩序度および平均構造)を決定したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、主に試料生成に使用する液体窒素、交換が必要な光学部品、真空部品等を購入するための消耗品費として研究費を使用する予定でいる。また、その他の経費としては、得られた成果を国内外の学会で発表するための旅費や、試料生成に関わる実験補助のための謝金、論文印刷費として使用したいと考えている。
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