2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540563
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 准教授 (40409496)
|
Keywords | ハイドレート |
Research Abstract |
宇宙空間には大量の水が存在し、生命の発生源の一つとして注目されている。極低温下で宇宙塵に凝集した水は、アモルファス氷やクラスレートハイドレートの薄膜として存在する。この薄膜表面では、様々な分子の合成反応が起こる。従って、アモルファス氷やクラスレートハイドレートの表面構造は、宇宙空間における物質進化の過程を探る上で重要な鍵となるが、極低温下で気相生成したクラスレートハイドレートについては研究された例が少なく、その構造や物性は明らかではない。本課題では、赤外分光法を用いて、極低温下で気相生成したクラスレートハイドレートの構造を調べた。 まず、本研究費により赤外分光測定用の低温真空チャンバーを作成し、これを用いた二酸化炭素クラスレートハイドレート薄膜の生成法を確立した。温度、組成等の条件を変えて生成実験を行い、クラスレートハイドレートの生成に最適な熱力学条件を決定した。さらに、生成したクラスレートハイドレートの赤外吸収スペクトルを解析することにより、構造の温度変化の過程を明らかにした。解析には、ホスト格子を構成する水分子のO-H伸縮振動モードと、ゲストとして包接される二酸化炭素分子の非対称伸縮振動モードの振動数を用いた。解析の結果、温度変化に伴って、振動数が変化することが明らかにになり、相転移の過程を示すことが出来た。
|