2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540564
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
東宮 昭彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (30357553)
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Keywords | マグマ混合 / マグマ注入 / タイムスケール / 磁鉄鉱斑晶 / 元素拡散 / 霧島山新燃岳2011年噴火 / マグマ溜まり / 軽石噴火 |
Research Abstract |
霧島山新燃岳で2011年1月に発生した準プリニー式の軽石噴火について,噴出物中の斑晶鉱物の組織や化学組成の分析を引き続き行った.その結果,低温の安山岩マグマ溜まりに,軽石噴火の直前に高温の玄武岩(~玄武岩質安山岩)マグマが注入・混合していた過程を,より精密に議論できた. また,去年までに,磁鉄鉱斑晶の化学組成や累帯構造等から,高温マグマと低温マグマの混合が噴火のどのくらい前のタイムスケールで起きたかについて,噴火の数十日以上前,約1日前,数時間前以内,という少なくとも3段階であったことを推定している.この結果を,噴火当時の地殻変動データと比較した.その結果,もっとも顕著な混合が起きた約1日前には地殻変動に特筆すべき変化がなかったことが分かった.つまり,マグマ混合過程は地下のマグマ溜まりにおいて顕著な体積変化(圧力変化)を伴っていないことが分かった. このことは,噴火直前に生じた噴火誘発過程を理解するうえで極めて意義深い.なぜなら,一般的には噴火直前にはマグマ溜まりの圧力が顕著に増加するものと信じられていたからである.本研究により,噴火準備過程の物理モデルに大きな制約条件を課すことができ,将来の火山防災にも資する知見を得られたと考えられる. また,地殻変動データ(マグマ溜りの体積変化)から見積もられるマグマ噴出量および噴出率(単位時間当たりの噴出量)について,過去の様々な噴火の噴出量・噴出率と比較した.その結果,霧島山新燃岳2011年噴火では,爆発的噴火(激しい噴火)と溶岩流出噴火(穏やかな噴火)の噴出率の差が他の噴火よりも小さいという特徴を持つことが分かった.このことは,爆発的噴火と溶岩流出噴火がどのように推移するかについての新たな知見を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年10月より1年間,本部組織(イノベーション推進本部)に異動となり,この間は研究時間がほとんど取れない状態となっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
2013年9月までは引き続き本部組織(イノベーション推進本部)勤務であり,この間は研究時間を確保することは困難であると見込まれる.予定していた実験計画を縮小し,代わりに成果報告等に重点を置くなど,計画の見直しを予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果報告(学会発表・論文発表)等に重点を置いた計画を予定している.
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Research Products
(5 results)