2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマ散逸ソリトンの安定生成とプラズマフォトニック結晶
Project/Area Number |
23540570
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
向川 政治 岩手大学, 工学部, 准教授 (60333754)
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Keywords | プラズマ / 自己組織化 / プラズマフォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロギャップ誘電体バリア放電を用いて、空間対称性を有し局在性の高い自己組織構造である散逸ソリトンを生成し、この安定性の向上と持続時間の増大化を目的としている。また、この自己組織構造をプラズマフォトニック結晶とみなし、プラズマ屈折率の周期構造をマイクロプラズマの自己組織化で実現し、電磁波制御の効果を検証する。 平成25年度の研究では、並列化マイクロギャップ放電の高周波数駆動、BSO結晶による誘電体表面電荷測定の空間分解能の検討、放電の六角構造パターンの空間制御とこれに関する計算機シミュレーションを行った。 並列化マイクロギャップ放電の高周波数駆動では、駆動周波数の変化による散逸ソリトン構造の変化を調査した。駆動周波数の増加による空間構造の大きな変化はないが、1サイクルあたりの維持時間は長くなる傾向がある。電子密度は、印加電圧の変化に対し大きな変化はなく、また駆動周波数が高いほど大きくなる。BSOを用いた誘電体表面電荷の測定では、結晶の厚さに起因する時間・空間分解能の違いを検討した。また、電界の数値計算とBSO結晶による干渉効果を比較して放電フィラメントの大きさの定義の妥当性を議論した。均一グロー放電下ではBSO結晶の厚さによる表面電荷密度の値に有意な差は無いが、フィラメント状放電ではBSO結晶の厚さの違いによって表面電荷密度分布が異なり、フィラメント直径は結晶の厚い場合に大きく観測される。放電の六角構造パターンの空間制御では、誘電体容量の変化に伴う六角構造の変化だけでなく、動作圧力の変化に着目して実験を行った。圧力の減少に伴い格子間隔は大きくなり、フィラメントの個数密度は小さくなる。また、低圧化においても誘電体容量の増大とともにフィラメントの個数密度は大きくなる。これらの傾向は反応拡散方程式に基づく計算機シミュレーションで全て再現することができた。
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