2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ支援触媒イオン化法によるセシウムフリー負イオン源の新展開
Project/Area Number |
23540575
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大原 渡 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (80312601)
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Keywords | プラズマ支援触媒イオン化法 / 水素負イオン / 触媒 / 中性粒子入射加熱 |
Research Abstract |
セシウムフリー負イオン源開発の一環で,プラズマ支援触媒イオン化法の機構解明を行った.ここで,金属グリッド(Ni 100 mesh等)またはプラズマグリッドPG(Al製,直径1.3 cm単孔引出,厚さ1 cm)を用いて,負イオン生成機構の解明に取り組んだ. (1) 100 meshのグリッド材質を変えた場合に,水素正イオン照射裏面方向で測定されるイオン引出電流-電圧特性を測定した.グリッドを通過した正イオンを,電場によってエネルギー制御を行った.低エネルギー(数十eV)の正イオンがグリッド表面と相互作用して,負イオン生成されることが明らかになった.負イオンが生成されないヘリウム正イオン照射実験との比較を行ったところ,高エネルギー(数百eV)の正イオン衝突によって二次電子放出しており,生成される負イオンよりも多いことが明らかになった.なお,負イオン生成特性は,材質に依存している.CuとMoはNiと似た負イオン生成特性であり,AlとTiは低エネルギー領域でのみ負イオン生成されており,Feは負イオン生成されないことが明らかになった. (2) Al-PGの正イオン照射裏面方向に,電子偏向除去磁場を印加した引出電極とコレクタ電極を用いて,電子と正負イオンの分離計測を行った.引出電場によって通過正イオンのエネルギーを制御して,負イオン生成量を測定した.200 eV程度以下の正イオンが負イオン化でき,15-20 eVの正イオンエネルギーが最も負イオン化され易い.最大負イオン電流密度は1.2 mA/cm2(正イオン照射電流密度15 mA/cm2)であった.正イオンの金属表面への入射角が大きい(面平行方向に近い)ことが,負イオン生成における仕事関数依存性の低さにつながっている可能性が明らかになった.
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Research Products
(12 results)