2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドリングホロー放電の確立と大面積高密度均一プラズマ源への応用
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23540577
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大津 康徳 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50233169)
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Keywords | ハイブリッドリングホロー放電 / ホロー陰極効果 / 容量結合放電 / 2次電子放出係数 / 多重リング状ホロー電極 |
Research Abstract |
平成25年度では、大面積均一かつ高密度のプラズマ生成を目的として、リング状ホロー溝を多重化した電極を用いて、流体モデルに基づくシミュレーションとプラズマパラメータ(電子密度、電子温度)計測を行った。以下の研究成果が得られた。シミュレーション及び実験条件は、アルゴンガス圧力16Pa、注入電力50W、駆動周波数13.56MHzで行った。電極直径は100mmである。ホロー溝幅は10mm、深さは10mmである。(1)リング状ホロー溝数を増加させることにより、プラズマ密度増加がシミュレーションと実験により得られた。4重ホロー溝の場合、電極から30mm離れた位置において、10^17m^-3の高密度を達成した。(2)プラズマ密度の均一性は、単一ホローにおいて、z=20mmで10.2%を達成した。しかし、リング状ホロー溝を増加しても均一性はそれほど、改善されないことが実験的に分かった。平成23年度では、(1)ハイブリッドリングホロー放電装置の構築とプラズマ安定放電確認、(2)自作静電プローブによるプラズマ計測、(3)PICシミュレーションによるプラズマ放電検証を得られた。平成24年度では、以下のような研究を実施した。(1)MgO薄膜なしの電極に比べて、MgO薄膜ありの電極の方が、プラズマ密度が向上することが明らかとなった。この成果は、MgO薄膜の2次電子放出係数が高いことに起因する。あるガス圧で、プラズマ密度が最大になることもわかった。(2)プラズマ密度空間分布では、リング溝位置で最大値をとるM型分布となった。また、電極から離れると、その半径方向分布が均一になった。以上の研究成果より、2次電子放出係数の高い材料を塗布した電極を用いたリング状ホロー放電は、従来に比べて、高密度を達成し、その溝の個数を最適化することにより、均一化を改善でき、大面積プロセスに応用できることが実証された。
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Research Products
(8 results)