2013 Fiscal Year Annual Research Report
二成分系ガスハイドレートのケージ占有性とゲスト-ホスト間相互作用
Project/Area Number |
23550036
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹谷 敏 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (40357421)
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Keywords | クラスレートハイドレート / 包接化合物 / 結晶構造解析 / 位相コントラストX線イメージング / 炭化水素 |
Research Abstract |
今年度は、ブタンのみをゲスト分子として包接するハイドレート試料の粉末X線回折による 精密構造解析を実施した。イソブタンの場合は、単体でもガスハイドレートを形成することが知られているが、ノルマルブタンの場合は、メタン等の小さな分子をヘルプガスとして含まないと、ガスハイドレートを形成しないといわれている。このことから、これら一連の径の構造を詳細に比較検討することにより、メタンのような小さな分子の構造安定性に及ぼす影響の理解に有効と考えられる。得られた初期データに基づき、ハイドレート中の炭化水素分子のケージ占有率の算出、および 、温度変化に伴うゲスト分子のケージ内での分布と、メタンもゲストとして含む場合の二成分系の場合のケージ構造の変化を明らかにした。その結果、メタンがヘルプガスとして包接される場合、ホストである水分子で構成されるケージサイズにほとんど影響を及ぼさないことが明らかとなった。 また、低温型位相コントラストX線CT測定に関しては、昨年度までに±1Kでの温度制御が可能にしており、この温度制御機能を活用した測定を実施した。従来のガスハイドレートの非破壊イメージング方法として、MRI(核磁気共鳴画像法)が活用されてきたが、この方法では、ガスハイドレートと水との識別は行えたが、ガスハイドレートと氷との識別はできなかった。そこで、低温型位相コントラストX線CT測定で、常圧下においても+4℃まで安定に存在可能なテトラハイドロフラン(THF)ハイドレートを用い、同一の試料の温度変化過程のイメージング実験を実施した。具体的には、-20℃(氷と共存状態)と+3℃(水と共存状態)でのその場観察を行い、造影剤なしでのガスハイドレートと氷および水との共存状態での可視化を実現した。この研究成果に関しては、平成26年7月開催のガスハイドレート国際会議で発表予定である。
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Research Products
(4 results)