2013 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体の特性を活かした新規なケイ素-ケイ素結合形成反応の開発
Project/Area Number |
23550044
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菅野 研一郎 群馬大学, 理工学研究科, 准教授 (20360951)
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Keywords | オリゴシラン / ヒドロシラン / 有機ケイ素クラスター |
Research Abstract |
有機ケイ素クラスターを合成するためには、適切なビルディングブロックを設計することが必要である。昨年度までの研究で我々は、多様な応用性をもつビルディングブロックとして1-クロロ-3-ヒドロ-1,1,2,2,3,3-ヘキサメチルトリシランの合成法を開発し、そのクロロシラン部位に種々のアリール基が導入できることを見出している。本年度は、種々のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の導入を検討し、様々な新規オリゴシラン類の合成単離に成功した。 THF中、対応する有機ハロゲン化物とマグネシウムとの反応から調製した一連のGrignard試薬を、1-クロロ-3-ヒドロトリシランと反応させた。反応は室温、もしくは60℃で速やかに進行し、1時間で完結した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、一連の非対称置換トリシランが得られた。アルキル基としては、末端に炭素-炭素二重結合、フェニル基、アセタール部位を有するものを合成した。アルケニル基では、スチリル基、2-ブテン-2-イル基のように、1置換および2置換アルケンを有するものを合成した。アルキニル基では、1-ヘキシニル、フェニルエチニル、トリメチルシリルエチニル基が置換したトリシランを合成した。いずれの場合も、ケイ素-ケイ素結合が切断されたような副生成物は確認されず、ヒドロシラン部位も保持されていた。これらの結果により、本手法が種々のケイ素クラスターのビルディングブロック合成法として有用であることが示された。
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Research Products
(10 results)