2012 Fiscal Year Research-status Report
キノメチド構造が高度に導入されたチオフェン系レドックス分子の創製
Project/Area Number |
23550053
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蔵田 浩之 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (40263199)
|
Keywords | キノメチド / チオフェン / ターチオフェン / フェノール / 立体障害 / 酸化反応 / キノン / ラジカル |
Research Abstract |
今年度は,昨年度より取り組んでいる高度キノメチド置換オリゴチオフェンの研究を引き続き行った。昨年度合成に成功したテトラキノチオフェン,ヘキサキノビチオフェンの次なるターゲットとして,ターチオフェンのすべてのCH部分にキノメチドが置換されたオクタキノターチオフェンを選んだ。この化合物はテトラキノチオフェン,ヘキサキノビチオフェンよりもさらに立体障害が増大しており,安定構造としてどのようなコンフォメーションをとるのか興味深い。 合成法としてヘキサキノビチオフェンの合成に用いたフェノールが多数置換したチオフェン環の酸化的カップリングによって直接得る方法を検討したがうまくいかず,前駆体としてオクタフェノール置換ターチオフェンを合成し,それを酸化する方法を検討した。しかしながらさまざまな酸化剤,酸化条件を検討したが,現在のところ目的のオクタキノターチオフェンを得るには至っていない。前駆体のフェノール部位が酸化されることまでは確認できているが,やはり立体障害が大きいためか,閉殻構造であるキノン構造に落ち着くことができず,マルチラジカル種が生成したのち,分解が起こっているものと想像される。現在,キノメチドの数を減らしたターチオフェン誘導体の合成を行い,オクタキノターチオフェンを合成するための知見を得ることを検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合成標的としては,かなりの困難が予想される化合物ではあったものの,今年度の目標としていたオクタキノターチオフェンの合成が達成できていないことを鑑みれば,研究の達成度はやや遅れていると言わざるを得ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度が最終年度であることを考えれば,本研究課題の総括が行えるような研究の進め方をする必要がある。オクタキノターチオフェンの合成検討は引き続き行うものの,それにこだわらず,新たな分子設計に基づく非平面性キノメチド系化合物の合成を行い,これまでに得られた知見を総合して,高度キノメチド置換化合物の研究から導き出される新たな概念を提案できるようにしたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度から研究機関が変更になったことに伴い,研究費は主として試薬品,ガラス器具などの消耗品に充てていく予定である。学会等の出張に関してはこれまでよりも困難になると予想されるが,可能な限り研究成果を発表できる機会を設けたい。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] 3,14-Bis(p-nitrophenyl)-17,17-dipentyltetrabenzo[a,c,g,i]-fluorene: A New Fluorophore Displaying Both Remarkable Solvatochromism and Crystalline-Induced Emission2013
Author(s)
Yoshiaki Ueda, Yusuke Tanigawa, Chitoshi Kitamura, Hiroshi Ikeda, Yuichi Yoshimoto, Mirai Tanaka, Kazuhiko Mizuno, Hiroyuki Kurata, Takeshi Kawase
-
Journal Title
Chemistry– An Asian Journal
Volume: 8
Pages: 392–399
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-