2011 Fiscal Year Research-status Report
光学活性超原子価ヨウ素による不斉酸化反応の機構探究に基づく展開
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23550059
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤田 守文 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (00275314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 昭弘 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長 (70358365)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 超原子価ヨウ素 / 不斉合成 / 光学活性化合物 / 酸化 / 反応中間体 |
Research Abstract |
安価で入手しやすい乳酸を不斉源に組み込んだ光学活性超原子価ヨウ素を用いて、生理活性天然物の不斉合成を達成した。 研究代表者らは、オルト-アルケニル安息香酸エステルを超原子価ヨウ素(III)で酸化すると、位置および立体選択的なオキシラクトン化が進行し、4-オキシ-1-イソクロマノン生成物が得られることを見出していた。4-オキシ-1-イソクロマノンは様々な生理活性天然物の部分骨格としてみられるものの、その選択的構築法は非常に限られ、これら天然物の全合成はほとんど手つかずの状態であった。 光学活性超原子価ヨウ素を用いた酸化的ラクトン化反応を鍵段階として、4-オキシ-1-イソクロマノン骨格をもつ4種類の生理活性天然物(そのうち1種類のみ合成例が報告されている)を標的として、不斉合成に取り組んだ。その結果、4-ヒドロキシメレイン、モノセリンおよびフサレンチン類縁体の3種類の天然物を光学活性体として不斉合成することができた。その合成反応条件検討の際、分子内酸素官能基の種類によって酸化反応の立体選択性を高度に制御可能であることを見出し、その機構の検討を行っている。これらの知見によって、新規選択的反応の開発につながると期待できる。 さらに、これら光学活性超原子価ヨウ素を用いたアルケンの不斉酸化反応において、用いる光学活性超原子価ヨウ素前駆体を触媒量に減らし、反応系中で過酸によって再酸化する触媒サイクルの構築にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
溶媒クラスターイオン分析を用いた超原子価ヨウ素の不斉配位環境に関する研究が、計画通りには、進んでいない。生理活性天然物の不斉合成に関する研究が予想以上に上手くいき、最重要課題として全力で取り組んだために、その分、他の研究計画の推進に割く時間が削られてしまったことが主たる理由である。また、震災により、産業技術総合研究所つくば西事業所が大きな被害を受け、その復旧に時間がとられたことも、付加的な要因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
光学活性超原子価ヨウ素を用いたエナンチオ選択的オキシラクトン化反応を、生理活性天然物の不斉合成に応用する研究を、さらに推進し、より複雑な標的化合物の不斉合成を目指す。乳酸を基盤とするキラルヨウ素化合物の試薬設計を推し進め、溶媒クラスターイオン分析による配位環境の評価を行うとともに、触媒的酸化反応の選択性向上を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は、溶媒クラスターイオン分析研究に関連する物品の購入および旅費が抑制された。次年度に、その遅れを取り戻すため、その分、支出の増加が予想でき、それに充当する予定である。
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Research Products
(11 results)