2012 Fiscal Year Research-status Report
光学活性超原子価ヨウ素による不斉酸化反応の機構探究に基づく展開
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23550059
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤田 守文 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (00275314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 昭弘 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長 (70358365)
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Keywords | 超原子価ヨウ素 / 不斉合成 / 光学活性化合物 / 酸化 / 反応中間体 |
Research Abstract |
安価で入手しやすい乳酸を不斉源として組み込んだ、光学活性超原子価ヨウ素を用いて、生理活性天然物の不斉合成に取り組んだ。これまで、研究代表者は、オルトアルケニル安息香酸メチルを反応基質に用いて、超原子価ヨウ素試薬を用いて酸化反応を用いると、3-アルキル-4-オキシ-1-イソクロマノン生成物を選択的に合成できることを見出し、その選択的酸化反応を鍵段階とする、オキシイソクロマノン天然物の不斉合成を行ってきた。テトラヒドロフラン環がイソクロマノンに縮環した構造をもつモノセリンの合成において、超原子価ヨウ素酸化反応を用いると、アルケニル基質から、一段階で、テトラヒドロフラン環およびイソクロマノン部位を立体選択的に構築できた。その際、反応に用いるキラル超原子価ヨウ素試薬のR,Sを使い分けることで、反応生成物のジアステレオマーを作り分けることができた。この合成戦略を、12-ヒドロキシモノセリンの不斉合成に応用し、(12R)-12-ヒドロキシモノセリンおよび(12S)-12-ヒドロキシモノセリン両異性体を単独に合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光学活性超原子価ヨウ素を用いる合成戦略は、オキシイソクロマノン天然物の不斉合成に対して、非常に有効であり、標的化合物の合成が順調に進んでいる。これまでに、6種類の天然物の不斉合成を成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
光学活性超原子価ヨウ素を用いた立体選択的オキシラクトン化反応を利用した、生理活性天然物の不斉合成をさらに推進し、これら天然物およびその類縁体の合成に有用であることを示していく。さらに、含チッ素化合物の合成に利用できる反応系の開発につなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
合成に力点を置くため、試薬の使用量が増加することが見込まれ、それに充当する。
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Research Products
(9 results)