2013 Fiscal Year Annual Research Report
希土類含有ぺロブスカイト化合物の多形構造と磁気的性質
Project/Area Number |
23550065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日夏 幸雄 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70271707)
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Keywords | 希土類 / ぺロブスカイト / 結晶構造 / 磁気的性質 |
Research Abstract |
希土類が物性の主役となったぺロブスカイト型酸化物の多形構造とその磁気的性質を調べるため、ぺロブスカイト型酸化物ABO3の物性を決定するBサイトに希土類(4f電子系)とサイズの小さな遷移金属(4d、5d電子系)を組み合わせた複合酸化物を合成し、磁気的性質から希土類が示す物性、f-d混合電子が示す新たな物性、挙動を解明することを目的とした。希土類と遷移金属の比を変え、BO6八面体の並びに特異な積層構造を持たせ、これまでにない物性の発現と挙動解明を目指した。 今年度の研究では、ペロブスカイトABO3の物性の中心的役割を果たすBサイトに、確実に4f電子系希土類元素を入れるため、サイズの小さなオスミウム(5d電子系)と組み合わせることで、ぺロブスカイトのBサイトでオスミウムと希土類を構造的に秩序化させたダブルぺロブスカイトの合成に成功した。オスミウムと希土類はBサイトでNaCl型に構造秩序していることをX線回折測定、中性子回折測定から明らかにした。磁化率、比熱測定から低温(2.5-100 K)で反強磁性転移していることを見出した。磁気比熱から磁気エントロピーを算出し、この磁気転移にはオスミウムと希土類のスピンが関与していることを定量的に示した。Nd化合物については中性子回折から磁気構造を決定した。さらに、Eu化合物ではEuメスバウア分光測定を行い、反強磁性秩序している状態での内部磁場を決定した。
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Research Products
(13 results)