2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属貯蔵反応場を与える再利用可能なかご型ホスフィンスルフィド錯体触媒の開発
Project/Area Number |
23550068
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
會澤 宣一 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (60231099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 良和 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (30447651)
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Keywords | ホスフィンスルフィド / 炭素―炭素カップリング / 触媒 / リサイクル / かご型ホスフィン |
Research Abstract |
本研究では、種々の炭素鎖の長さを持つ、空孔サイズの異なるかご型ホスフィン多座配位子をテンプレート反応で合成し、これを硫黄化あるいは酸化することによって、後周期低酸化数金属および前周期金属を空孔内に貯蔵でき、反応基質に対して立体選択性を有する新規かご型錯体触媒を合成する。さらに、かご型錯体を有機ポリマーに担持させることによって、希少元素の枯渇問題に対応できる半永久的にリサイクル可能な固体高分子錯体触媒を開発する。 かご型ホスフィン配位子の前駆体である四座ホスフィン―ホスファイト配位子の合成を実施した。ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシドと2-ブロモフェノールからAtherson-Todd反応により2-ブロモフェニルビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシドとしたのち,オルトリチオ化による転位反応で四座ホスフィン―ホスファイト配位子の前駆体であるオルト位にジアリールホスフィニル基を有するフェノール誘導体を合成した。この誘導体と三塩化リンとの反応を検討したところ,目的とする四座ホスフィン―ホスファイト化合物が低収率ながら得られた。しかし,三臭化ホウ素による化合物のメトキシ基の脱メチル化を行ったところ反応系が複雑になってしまった。そこで、メトキシ基の脱メチル化反応を回避する目的で,フェノール部分をシリル基で保護した基質を用いてかご型ホスフィン配位子の前駆体である四座ホスフィン―ホスファイト配位子の合成を実施している。 また、かご型ホスフィン配位子合成のテンプレート反応に用いるジチオラト架橋五配位三角両錐型Pd(II)二核錯体の合成は、種々の炭素鎖を持つジチオレートについて成功しているため、四座ホスフィン―ホスファイト配位子が合成でき次第、テンプレート反応を実施する。
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Research Products
(15 results)