2011 Fiscal Year Research-status Report
液相における超重元素ラザホージウムの陽イオン化学種の同定とその化学挙動
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23550070
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 明彦 金沢大学, 物質化学系, 教授 (80230655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 渉 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (90333319)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 超重元素 / 抽出クロマトグラフィー / ラザホージウム / 液液平衡 |
Research Abstract |
本年度は、まずTTA吸着クロマトグラフィー樹脂の調整に着手し、テフロン樹脂粒子にTTAを吸着させた樹脂を作成する方法を検討し、吸着能のある樹脂の作成に成功した。また無担体放射性トレーサー(Zr-88とHf-175)を次のように製造した。イットリウムとルテチウムのターゲットを大阪大学核物理研究センターにおいて陽子照射し、照射後、陰イオン交換クロマトグラフィーによってターゲット物質を除去し、無担体トレーサー溶液を調製した。これを用いてTTA吸着クロマトグラフィー樹脂の吸着能について、ZrとHfのトレーサー濃度で測定し、樹脂の性能を確認するとともに、加速器オンライン実験と比較するための標準データを取得した。また本実験用マイクロカラムのために、トレーサー実験によって最適化されたカラム容量に対応したマイクロカラムを有するAIDA装置用のカラムマガジンを設計し、作製を発注して完成を待ち、理化学研究所において新たに購入したアルファ検出器とともに設置し、自動運転システムについてテストした。また、樹脂を充填したマイクロカラムを用いて同無担体トレーサーによるオフライン実験と理化学研究所の加速器で製造したZr-89mおよびHf-175をガスジェット輸送して化学系に導入したオンライン実験(Rf実験の模擬)を行った。その後、短寿命核種Zr-85、Hf-169、Rf-261を加速器で重イオン核反応で製造し、同研究所でRfを化学系に導入して測定する実験に初めて成功した。これは最終的に目的とするラザホージウムの吸着挙動データの取得に向けて、着実に必要なステップを踏んできており、意義のあるデータ取得までもう一歩のところまできている。今後さらに樹脂の改善やガスジェット輸送効率の最適化を進め、継続してデータの精度を高めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度の半ばにおいて理化学研究所において加速器を用いたオンライン実験をスタートして、実験手法の検討を進めることができた。AVFサイクロトロンのマシンタイムにおいて、新たに導入したアルファ検出器を含む検出器系および、また新たに作成したカラムマガジンを使った化学分離装置を設置し、加速器で製造したジルコニウムやハフニウムの実験を実施し、また最終的にはラザホージウムの観測ができることを確かめた。
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Strategy for Future Research Activity |
理化学研究所で短寿命核種Zr-85、Hf-169、Rf-261を加速器で重イオン核反応で製造し、同研究所でRfを化学系に導入して測定するところまで来ているので、ラザホージウムの吸着挙動データの取得がすぐにでもはじめられる。しかし、23年度の実験でまだ樹脂の吸着性能が十分でないことがわかったので、今後はまず樹脂の性能を向上させるべく、作成法の再検討に着手し、目途がついた時点でジルコニウムやハフニウムのオンライン吸着実験を繰り返し、その上でラザホージウムの本実験に進む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
オンライン実験を理化学研究所で行うための出張旅費、および樹脂を作成するための材料、化学薬品に主に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)