2012 Fiscal Year Research-status Report
液相における超重元素ラザホージウムの陽イオン化学種の同定とその化学挙動
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23550070
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 明彦 金沢大学, 物質化学系, 教授 (80230655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 渉 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (90333319)
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Keywords | 超重元素 / 抽出クロマトグラフィー / ラザホージウム / 液液平衡 |
Research Abstract |
最終的な目的であるラザホージウム(Rf)の4価陽イオンの挙動の確認のため、キレート抽出剤TTAを保持した固定相による逆相クロマトグラフィー系の構築を進めてきた。当該年度において自ら調整したTTA樹脂のバッチ実験では、核反応で製造したZr-88、Hf-175トレーサー(Zr, HfはRfの同族体)を用いて、樹脂の調整法や保持単体となる高分子粒状樹脂の粒径について検討し、CHP20/P20(粒径20マイクロメーター)が最も良い応答をすることが分かった。また同様の実験を通してフッ酸1.0×10E-4M―硝酸0.01M系において平衡時間が速い、実験適用に有望な液性を見出すことができた。この系について理化学研究所においてARCA迅速化学分離システムを利用したオンライン実験を行い、核反応で生成したジルコニウム短寿命核種、Zr-89mを輸送してTTAレジン系の溶離曲線を取得することができた。このデータを詳細に検討した結果、バッチ実験の結果と比較するとまだ平衡には達していないことが判明したが、今後の実験条件探索の重要な糸口となると思われる。この成果の一部は10月3日から5日に東京工業大学・大岡山キャンパスで開催された2012日本放射化学会年会・第56回放射化学討論会において発表された。また最新のデータについてはRIKEN Accelerrator Progress Report 2012に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたマシンタイムが消化できていない。これは樹脂の開発も進んできたことも事実であるが、それでも樹脂の開発は予定より遅れているためである。また、実験参加者の日程調整がうまくいかなかったこともマシンタイムを利用できなかった原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は実験課題の最終年度になるので、理化学研究所でZr-85, Hf-169, Rf-261を製造し、これらの短寿命核種をガスジェット輸送して化学分離システムに導入するオンライン実験を実施する。オンライン実験に向けての現地の準備はα線測定システムを含めてほぼ完了しているので。年度初めに樹脂系の最適化に人数をかけ、6月にジルコニウム短寿命核種のみのテスト実験を経て、7月にすでに申請済のマシンタイムに向けてラザホージウム実験を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
オンライン実験をするための出張旅費および謝金、さらに樹脂作成の材料、薬品に主に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Preliminary study on quadrivalent chemical species of rutherfordium in an aqueous solution by using TTA resin2013
Author(s)
A. Yokoyama, Y. Shigeyoshi, Y. Kitayama, A. Toyoshima, K. Tsukada, K. Ooe, E. Maeda, H. Kimura, H. Kikunaga, Y. Kudou, J. Kanaya, M. Huang, and H. Haba
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Journal Title
RIKEN Accelerator Progress Report
Volume: Vol. 46
Pages: 未定
Peer Reviewed
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