2013 Fiscal Year Annual Research Report
様々なコア構造を持つ二核鉄ペルオキソ錯体の創製および酸化特異性の解明
Project/Area Number |
23550071
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古舘 英樹 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (40332663)
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Keywords | 二核鉄ペルオキソ錯体 / 酸素分子活性化 / 酸化反応性 / 水素原子引き抜き反応 / X線結晶構造解析 / 酸素活性種 |
Research Abstract |
前年度に継続して様々なコア構造を有する鉄ペルオキソ錯体による配位子や外部基質の酸化反応性と反応機構の解明を行った。 1) オキソ-ペルオキソおよびヒドロキソ-ペルオキソコアを有する二核鉄(III)ペルオキソ錯体の外部基質に対する酸化反応性を検討した。その結果,78 ~ 92 kcal mol-1 の BDE を持つ 9,10-DHA, fluorene, tetralin, toluene, adamantane などの様々な外部基質に対して酸化能を示さなかったが,トルエンと同程度のBDE を持つ配位性の基質であるベンジルアルコールと反応し,ベンズアルデヒドを与えることを見出した。 2) プロパンジアミン骨格を有する二核化配位子 (Me4-tpdp) のジクロロ二核鉄(III)ペルオキソ錯体の酸化反応性の検討を行った.その結果,上記のペルオキソ錯体と同様に,78 ~ 92 kcal mol-1 の BDE を持つ 9,10-DHA, fluorene, tetralin, toluene, adamantane などの様々な外部基質に対して酸化能を示さなかったが,配位性の基質であるベンジルアルコールや THF と反応することを見出した。 3) 前年度合成に成功したキシリル架橋骨格の二核化配位子 (H-Me4-pyxyl)を有する反応中間体(酸素活性種X)による配位子のキシリル基の水酸化反応メカニズムを明らかにするために,電子供与基であるブチル基を導入した二核化配位子 (tBu-Me4-pyxyl)を有する酸素活性種Xを新たに合成した。これら酸素活性種Xの速度論的研究や配位回収実験より,酸素活性種Xが律速段階で別の酸素活性種Yに変化し,これが親電子的にキシリル基を水酸化することがわかった。
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Research Products
(6 results)