2012 Fiscal Year Research-status Report
ソフトマテリアル場における生体金属モデル錯体の挙動 触媒機能に対する反応場の影響
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23550075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 和也 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (80252550)
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Keywords | 生体金属モデル錯体 / ソフトマテリアル / 反応場 / 生物無機化学 |
Research Abstract |
生体金属モデル錯体がソフトマテリアル内に存在するとき、ソフトマテリアルが反応場として生体金属モデル錯体に及ぼす構造や反応性の影響を明らかにすることを目的として、平成24年度は、ソフトマテリアル媒質中に生体金属錯体を分散し、分散条件と物性の相関性を検討した。また、従来の固体表面系における分散条件も検討し考察を行った。ソフトマテリアルの成分として、コラーゲン、ナフィオンの2種類を用いた。構造蛋白質であるコラーゲン、導電性人工高分子であるナフィオンについて、触媒機能を有する生体金属モデル錯体の分散は良好であることがわかった。また、ゲル状フィルムを金属表面へ固定した修飾電極を作成した。生体金属錯体の分散およびゲル状フィルムの作成条件、金属表面に固定する条件の精密化を行い、最適化がほぼ完成した。一方、金属表面に生体金属錯体を直接結合させる方法も確立した。その結果、高密度に集積した場合、生体金属錯体どうしが干渉を起こしていることがわかった。生体金属錯体に類似構造を持つ修飾有機物質を添加することにより、この干渉が軽減し、各錯体分子の触媒機能が向上することを見つけた。以上より、次年度の研究計画への準備段階が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ソフトマテリアル場として、当初計画していた構造蛋白質、導電性人工高分子への生体金属錯体の分散条件の最適化について、計画どおり実施できた。また、生体金属錯体の金属表面への直接結合条件の最適化も実現した。しかし、脂質および糖質をソフトマテリアルとして用いた場合の検討については、必ずしも計画通りの進捗ではない。その遅れている分は、平成25年度中に、十分取り戻すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度で得られたソフトマテリアルの作成および生体金属錯体の分散条件の知見に基づき、各種の置換基を導入した還元触媒機能性錯体を用いて、当初の計画どおり、反応場としてのソフトマテリアルの効果を求める予定である。新たに作成したソフトマテリアル場における錯体の電子構造の解析を行い、祖ストマテリアルが及ぼす構造的効果を明らかにすることで、錯体の触媒機能に関する構造要因を議論する予定である。この進捗は当初の計画どおりである。これらの検討により、本研究の目的である「生体金属モデル錯体の触媒機能に対するソフトマテリアルの反応場としての影響」を解明し、高機能を発揮するソフトマテリアル場の開発を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の所属部局が変更となったため、研究環境が大きく変わり、研究を進めていく上での障害となり、研究費の執行が当初予定と異なることとなった。しかし、研究計画に変更はなく、前年度の研究計画を併せて、当初の研究計画に則り、平成25年度以降に研究を実施する。
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