2013 Fiscal Year Annual Research Report
三核環状錯体によるカプセル状分子集合体の構築と包摂分子による磁性制御
Project/Area Number |
23550080
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鯉川 雅之 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90221952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰教 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授(Associate Professor) (20359946)
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Keywords | 分子磁性 / 包接 |
Research Abstract |
カプセル状分子集合体の作成効率の向上を図り,水素結合能力の向上が期待できるヒロドキシル基を導入した新規配位子の合成を行った。この新規配位子は,これまで得られている類似配位子と異なり,二塩酸塩として単離されることが元素分析結果より確かめられた。得られた配位子を用いて三核Mn(III)およびFe(III)錯体の合成を行った。単結晶が得られなかったため,分子構造の同定には至っていないが,IRスペクトルにおいてシッフ塩基由来の伸縮振動ピークが低波数シフトしていたことから,錯形成を確認した。金属中心の電子状態および錯体の分子構造は,ESRスペクトルおよび電子スペクトルにより考察した。ESRパターンから,それぞれ多核Mn(III)錯体および多核Fe(III)錯体であると考えらたが,今回得られたサンプルはキラルなカプセル状分子集合体ではなく,カプセル構造をとっていないラセミ対を形成していることが示唆された。この原因を分子モデリングにより推定すると,今回導入された置換基に対して静電相互作用よりも立体障害の方が大きく作用し,置換基がピラミッド状三核錯体の空間内部に潜り込む形になるため,結果としてカプセル構造をとらなかったと考えられる。この結果を踏まえて,カルボキシル基の導入が最も適切であると結論されるため,今後はカルボキシル基導入型新規配位子の合成を目指す必要がある。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Homo- and hetero-dinuclear nickel(II), copper(II), and oxidovanadium(IV) complexes of a Schiff-base-fused phthalocyanine with 2,6-dimethylphenoxy and t-butyl groups2014
Author(s)
Takahisa Ikeue, Toshiro Fukahori, Teppei Mitsumune, Koyuru Ueda, Kazusa Fujii, Satoshi Kurahashi, Masayuki Koikawa, Tamotsu Sugimori, Ichiro Hiromitsu, Katsumi Yoshino, Masahiro Mikuriya, Makoto Handa
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Journal Title
Inorganica Chimica Acta
Volume: 409
Pages: 433-440
DOI
Peer Reviewed
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