2011 Fiscal Year Research-status Report
溶媒抽出試薬担持型機能性分離材の3価陽イオンの分離回収能向上機構の解明
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23550091
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
國仙 久雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10251571)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 3価陽イオン / 分離機構 / 多座配位子 / 機能性分離材 |
Research Abstract |
本年度の計画は、シリカゲル表面にアルキル鎖を修飾させた疎水性シリカゲルを合成し、負2価6座配位のN,N-Bis-(5-chrolo-2-hydroxyphenylmethyl)-N,N-bis(2-pyridylmethyl)-1.2-ethanediamine(H2Clbbpen)を吸着担持させた機能性分離材の吸着特性の評価を行うことであった。具体的には以下の内容の検討を行った。1 機能性分離材の合成 シリカゲル表面に炭素鎖長の異なるアルキル基を修飾し、数種類の疎水性シリカゲルを合成する。これに、HPA系抽出試薬であるH2Clbbpenを吸着担持させ、機能性分離材を合成した。シリカゲル表面に炭素数が 8、12 および 18 である3種のアルキル基を導入し、これに抽出試薬を吸着担持した。アルキル鎖導入量と抽出試薬導入量は熱重量分析法を用いて確認した。その結果、たとえば-C18H37を修飾した機能性分離材は約22%が炭化水素から構成されていることがわかった。2 金属イオンの吸着能の確認 本項目では炭素数を変えた機能性分離材の吸着挙動を検討することとなっていたが、合成した機能性分離材にGa3+とIn3+を吸着させたところ、吸着の際に用いる対陰イオンの種類によって吸着速度が異なることがわかり、選択性を検討する前に吸着メカニズムを明らかにする必要が生じた。その結果、In3+はイオン対で吸着し、Ga3+はゲル相で二量化した中性の錯体で吸着していることが示唆された。 次年度は、24年度の検討項目に予定していたアルキル鎖の密度を変えた分離材の吸着能の変化を検討すると共に、HPAに囲まれた配位空間と選択性の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の変更が少しあったが、次の検討項目に向けて解明すべき点は解明しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の検討課題を遂行して行くにあたり、新たに解明すべき点が見つかったが、23年度中に処理することが出来た。24年度は、23年度の残りの検討課題を行うと共に、24年度の検討項目に予定していたアルキル鎖の密度を変えた分離材の吸着能の変化を検討すると共に、HPA(ヒドロキシピリジルアミノ基)に囲まれた配位空間と選択性の関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は分離材合成用試薬、金属イオン測定用アルゴンガスおよび学会出張費に使用する。備品類の購入予定はない。
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