2013 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒抽出試薬担持型機能性分離材の3価陽イオンの分離回収能向上機構の解明
Project/Area Number |
23550091
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
國仙 久雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10251571)
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Keywords | Ga3+ / In3+ / 相互分離 / 新規分離材 / 負二価六座配位子 |
Research Abstract |
本年度は負2価6座配位子であるH2bbpenのフェニル基の5位に置換基として塩素とアミノ基が結合したH2Clbbpenおよび新規化合物であるH2NH2bbpenを合成した。H2Clbbpenはシリカゲル表面にオクタデシル基を導入した担体に吸着担持させた新規機能性分離材の合成に用いた。また、H2NH2bbpenはシリカゲル表面にエポキシ基を導入した担体に化学結合させた新規化学結合型機能性分離材の合成に用いた。 H2Clbbpenを吸着担持させた分離材は13族元素を酸性領域で選択的に捕集することが可能で、同様の試薬を用いた溶媒抽出系に比べてGaとInの相互分離能が高い。本年は、廃棄物中のGaとInの分離回収の際に影響を及ぼすと思われる二価遷移金属イオンの捕集挙動に関する検討と、H2NH2bbpenを用いた化学結合型新規機能性分離材の合成を行った。その結果いくつかの興味深い結果が得られた。 ①遷移金属イオンの捕集挙動 H2Clbbpenをオクタデシル機で表面修飾したシリカゲルに吸着担持させた分離材(H2Cl-C18g)、吸着担持させていないシリカゲル(C18g)および表面修飾していないシリカゲル(g)を用いて、Cu2+, Ni2+, Co2+, Zn2+の捕集実験を行った。その結果、H2Cl-C18g において、弱酸性領域でCu2+とZn2+の捕集が見られたが、Ni2+, Co2+の捕集は見られなかった。C18gとgにおいても同様の挙動が見られたことから、H2Cl-C18gによるCu2+とZn2+の捕集は配位子との反応によるものでは無く、シリカゲル表面のシラノールによるイオン交換型の捕集であるとわかった。しかしながら、捕集したpH領域は弱酸性で、Ga3+とIn3+が捕集される酸性領域では無いため、分離の観点からは望ましい結果であることがわかった。 ②化学結合型分離材の合成 新規な配位子であるH2NH2bbpenをシリカゲルに化学結合させた新規配位子を合成した。本申請の研究期間では、Ga3+とIn3+を弱酸性領域で捕集できることがわかったが、詳細な解析は今後の課題である。
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Research Products
(5 results)