2013 Fiscal Year Annual Research Report
逆ミセルを活用する金ナノ粒子-ポリアミドのナノ複合体形成と分光特性
Project/Area Number |
23550097
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 照文 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80127703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 聡 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50207338)
岡本 泰明 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40213988)
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Keywords | 逆ミセル / 金ナノ粒子 / 顕微蛍光測定 / 顕微散乱法 / 界面固定化 / ポリアミド / ナノ複合体 / 吸着 |
Research Abstract |
平成23・24年度には,水溶液系での金ナノ粒子の迅速な調製法について詳細な検討を行い,その結果から逆ミセル系を用いた金ナノ粒子調製法に対する有益な情報を得た。また,金属ナノ粒子の純度を決定するためのICP原子発光スペクトル分析法の開発も行った。一方,平成23年度にフロー系を組み入れた顕微測定システムを開発し,これを用いて,ガラス表面への逆ミセル吸着の最適条件の検討,およびガラス窓板上にポリアミド層を形成させる方法について検討した。しかし,平成24年度に,生成したポリアミドを全反射吸収赤外分光法やAFM法で観測するため,ガラス窓板が容易に脱着できるフローセルを新たに自作する必要が生じた。そのセルの設計・作製にかなり長い歳月を要したことが,本研究の進行が遅れた最大の理由である。 平成25年度は,まず上記のフローセルのガラス窓板表面にポリアミドをフロー法により迅速・簡便に作成するための最適条件を検討した。また,そのポリアミドの末端基がアミノ基であることを,蛍光ラベル化剤を用いて明らかにした。次に,そのポリアミドに金ナノ粒子を固定化させ,ナノ複合体を調製した。その生成量に関する情報を顕微散乱法により得た。また,金ナノ粒子の固定化は目視でも確認した。さらに,AFM測定を行い,金ナノ粒子の担持によるナノ構造体の高さの変化はほとんど起こらないことを明らかにした。この結果から,金ナノ粒子がポリアミド層の中に埋め込まれた構造が形成され,金ナノ粒子は互いに接触することなく個々にポリアミドで包まれていることが示唆される。それゆえ,ポリアミドの種類や相互作用を制御することによって,光電場増強に最適化な粒子間ギャップを得ることが可能になると期待される。 今後,本研究の目標達成をめざして,得られたナノ複合体の金ナノ粒子の表面プラズモン特性や散乱特性などの分光特性に関する研究を進める。
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Research Products
(24 results)