2013 Fiscal Year Annual Research Report
真空蒸着によるアルミニウム薄膜の形態制御技術の開発と各種機能素子への応用
Project/Area Number |
23550100
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (10128077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 俊史 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (60253910)
満塩 勝 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (70372802)
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Keywords | 蒸着アルミニウム薄膜 / 表面形態 / 走査型電子顕微鏡 / 交流インピーダンス法 / 電解コンデンサー / X線光電子分光法 / 表面プラズモン共鳴センサー / エタノール添加ガソリン |
Research Abstract |
真空蒸着法を用いて,孤立し直立した円柱状の微細構造であり,大きな表面積を持つアルミニウム薄膜を作製する技術を開発し,電解コンデンサーや触媒などの機能素子のモデルとして貢献することを目的とした。500℃付近のアルミニウム基板にアルミニウムを蒸着することによって,目的とする構造の直径約1μmの粒子形態の薄膜を作製することができた。交流インピーダンス法(EIS)を用いて,硫酸ナトリウム水溶液中の電気二重層の容量を測定し,平坦なアルミニウム薄膜と比較することによりその表面積を求めたところ,460~520℃,膜厚75~300 nmにおいて,表面積が約2.7倍増加することが分かった。X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したその薄膜表面に存在する2~4 nmのアルミナの絶縁層については,表面積測定には無関係であった。 走査型電子顕微鏡(SEM)写真の画像解析により粒径分布を求めて表面積の増加率を計算したところ,EISを用いて測定した値(約2.7倍)よりも小さな値(約1.5倍)であり,SEM画像には現れない微細な構造が表面積の増加に寄与していることが分かった。 ガラス棒の表面にアルミニウムを15 nm蒸着し,光源に波長400 nmの発光ダイオード(LED)と検出器にフォトダイオード(PD)を用いて,液体試料の屈折率変化に応答する表面プラズモン共鳴(SPR)センサーシステムを作製し,エタノール添加ガソリン中のエタノールの濃度センサーの研究を行い,0~10%(E10)のエタノール濃度における良好な応答を得た。長期繰り返し使用における安定な応答を得るための表面処理に関する検討も行った。 波長掃引型のSPRセンサーシステムを用いて,基準となる金薄膜の波長に対する応答を測定し,金の誘電率の波長特徴を検討した。アルミニウム薄膜についても現在検討を行っている。
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