2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550101
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高山 光男 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (10328635)
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Keywords | 水素ラジカル / オゾン / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究は、大気中での水素ラジカル関与の特異な反応について、水素ラジカルおよび関連活性化学種の発生および発生後に起こる反応の解析を目的とした。特に、水素ラジカル発生システムを装置として構築することを目的とした。 水素ラジカル発生システムの構築に先立ち、関連する活性化学種を大気中で生成する装置の設計を行い、安全性を重視し、水素分子を解離し得る波長を有する紫外ランプを用いる反応管を製作した。活性化学種の生成を可能とする反応管の適正さを調べるために、酸素分子からオゾンを生成する予備実験を実施し、有意な量のオゾン発生を確認し、オゾンによる酸化反応の有無をペプチドを使って確認した。具体的には、典型的な酸化反応を起こす含イオウアミノ酸や芳香族アミノ酸の酸化を確認できた。本装置により酸化反応が十分に可能であることから、次いで、電解型水素分子発生器と接続することにより、水素ラジカルの発生を確認できる反応系の探索を実施した。水素ラジカル発生の証左となる反応系の確立および生成物の検出を目的として、水素分子を移送した反応管内で紫外光を照射したところ、水素ラジカルとフッ素との反応生成物であるフッ化水素の生成を質量分析によって確認することができた。今後の課題として、水素ラジカルの生成濃度と反応管内での寿命を評価することが必要である。フッ化水素の生成は、反応管の部品として使ったテフロン樹脂に由来すると考えられるので、反応管の材質についてもフッ素系以外の不活性材料を使って安全なシステムを構築する必要がある。また、本研究では反応生成物の検出系として自作の大気圧イオン源を搭載した質量分析計を使ったが、より分析精度の高い装置への転換も必要である。
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