2012 Fiscal Year Research-status Report
キャピラリーチューブ内流動溶媒の特異的分配挙動に基づく新規分離手法の開発
Project/Area Number |
23550106
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 理工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | マイクロフロー |
Research Abstract |
平成23年度に得られた結果を基にして、平成24年度は以下の研究を遂行する。 (1)計算化学からの検討:Arisは、キャピラリーチューブ内を、層流条件下で溶質が流れるとき、溶質の2次モーメントから溶質の分配にかかわる式を導いた(Aris, R. Proc. R. Soc. Lond. A 1959, 252, 538-550)。申請者は、Arisの式から、さらに、溶質の分散および理論段相当高さを表す式を独自に導いた。内壁に固定層を持ったキャピラリークロマトグラフィーにおける理論段相当高さを表す式である。この式を用いて「管径方向分配クロマトグラフィー」における相形成に関するシミュレーションを実行した。コンピュータシミュレーションから得られた溶媒挙動は、実験観察結果と良く一致した。このことは、「管径方向分配現象」を理論的にサポートする結果となった。 (2)分析対象物の拡張:これまで、低分子の有機化合物を中心に分析し、「管径方向分配クロマトグラフィー」の分離性能を調べてきた。24年度には、さらなる実験、理論面からの考察を深め、分析対象物の拡張を検討した。有機化合物の他に、アミノ酸、タンパク質、ヌクレオシド、DNA、糖質、金属イオン,金属錯体,ヘムタンパク質,光学異性体等を、分離、検出することができた。分析システムは、中空キャピラリーチューブ、マイクロシリンジポンプ、および検出器からなり、極めて簡単な装置として組み立てることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にて述べた(1)計算化学からの検討と(2)分析対象物の拡張については、学術論文として投稿することができた。関係論文18報を報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光・化学発光・生物発光検出器の導入:現在、吸光検出器を中心に検出を行っている。分析対象物の拡張および高感度検出を実現するには、他の検出法の導入が不可欠である。蛍光・化学発光・生物発光検出器の導入を検討し、本法の性能向上を図る。申請者は、これまで「キャピラリー電気泳動法」にルミノール化学発光、シュウ酸エステル化学発光、ルテニウム(II)錯体化学発光、ルシフェリン-ルシフェラーゼ生物発光などを導入し、種々の「キャピラリー電気泳動-化学発光検出器」を開発してきた。これらの発光系を「管径方向分配クロマトグラフィー」に導入することを検討し、分析対象物の拡張および高感度検出を実現する。 さらに、「管径方向分配クロマトグラフィー」ついて、得られた結果を取りまとめた研究成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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Research Products
(2 results)