2013 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場による弱磁性物質の遠隔的マニピュレーションに関する研究
Project/Area Number |
23550111
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
廣田 憲之 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10302770)
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Keywords | 磁気力 / 弱磁性物質 / 可視化 / シミュレーション / 非接触制御 |
Research Abstract |
本研究では、物質に対して非接触で力学的影響を与えることができる磁場の特徴を利用し、物質を遠隔的にマニピュレーションする技術に関して知見を集積することで、流体中における物質挙動を制御し、物質の分離・分析への応用展開を目指した。このため、強磁場下で使用できる共焦点レーザー顕微鏡やシュリーレン干渉計等の可視化機構を用い、マイクロメーター粒子や流体等挙動のその場観察を種々の条件下において行ない、その知見を集積したほか、空間磁場分布の影響についてシミュレーションにより考察した。 25年度は、フランスのグループと共同で製作した装置を使用し、弱磁性流体挙動の高時間分解能観察に取り組み、磁気浮上状態等の環境にある流体挙動のその場観察に成功した。シュリーレン干渉計を用いた流体中の屈折率分布の観測結果と合わせ、強磁場下での流体挙動の多様な制御性を理解できた。また、流体中に分散する粒子の挙動制御に関し、重力と磁気力を重畳させることで物質ごとの分離が可能となる磁気アルキメデス分離がマイクロメーター粒子でも実現することを確認、その効率的な回収機構についても考案した。 これまでの研究成果から、流体中に分散した弱磁性微粒子の位置制御、相互作用による組織制御、運動方向の制御手法について実験及びシミュレーションにより体系的に理解できた。さらに、流体自体の挙動についても、濃度分布などによる流体内部での流れの制御に関して理解したほか、高時間分解能観測により興味深い現象が磁場により引き起こされることを確認した。各種シミュレーションの結果から、適切な空間磁場を与えることで、磁場による弱磁性物質の挙動制御が効果的に行えることも確認した。これらの成果は、高温プロセスや生体内現象など、物質の挙動制御を非接触で行ないたい場合に有用と考えられる遠隔的マニピュレーション技術として強磁場を広く利用するための基礎となるものである。
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[Presentation] Development of high throughput and high quality protein crystal growth system using a superconducting magnet2013
Author(s)
Noriyuki Hirota, Hitoshi Wada, Motosuke Kiyohara, Masaru Tanokura, Akiko Kita, Ei-ichiro Suzuki, Hidehiko Okada, Takahiro Ode, Akira Nakamura, Jun Ohtsuka, Nobutaka Numoto, Tatsuki Kashiwagi
Organizer
International Conference on Magneto-Science 2013
Place of Presentation
Bordeaux, France
Year and Date
20131012-17
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